
<天皇杯:新潟1-2東洋大>◇3回戦◇16日◇デンカS
アルビレックス新潟は、天皇杯初出場の東洋大(アマチュアシード)に1-2で屈した。0-1の後半4分、左DF橋本健人(25)が左足で同点ゴールを決めて流れを引き寄せたかと思われたが、同12分、DF森昂大(26)のバックパスが短くなったところを東洋大MF湯之前匡央(4年)に奪取され、勝ち越しを許した。
今月、新潟からセルティックに移籍したDF稲村隼翔(23)が昨年まで在籍した東洋大に力負けした。相手は2回戦でJ1上位の柏レイソルを撃破した“強豪”。前半から1対1の攻防、攻守両面の切り替えやプレー強度で下回り、チャンスは数えるほど。終了間際には右サイドを突破され先制を許した。後半開始からMF長谷川元希(26)を投入し、一時同点としたが、あっという間に勝ち越しを許し逃げ切られた。
新潟サポーターは昨季、新潟の特別指定選手としてルヴァン杯決勝進出に貢献した稲村が所属していた東洋大に対し、寄付金という形で感謝を伝えていた。
当時、同大ホームページの「寄付者からのメッセージ」には、強化指定運動部支援を行った新潟サポーターからの「稲村選手をルヴァンカップに出場させてくださったことに感謝申し上げます。心ばかりではございますが、今後もプロで活躍される選手の育成にお役立ていただければ幸いです」「貴校の稲村隼翔選手をいつも快く送り出していただき、感謝申し上げます。今では新潟にとって欠かせない選手です。わずかながら寄付させていただきます」といったメッセージが並び話題となっていた。
この日も、勝った東洋大の選手があいさつをしながらスタジアムを一周すると、新潟サポーターから温かい拍手が送られた。決勝点の湯之前は「多額の寄付金をいただいた新潟サポーターに対し、自分たちがしっかりプレーすることが恩返しだと思っていた。スタジアムがとても大きくて、相手の声援も自分たちの声援のように感じていた」と感謝していた。【小林忠】
▽新潟 入江監督「ボールの動かし方で準備してきたことができた部分と、できなかった部分があった。スムーズに進入しようとした形が後半は修正され、点が取れたが、継続できずにエラーから失点して試合を難しくしてしまった。(リーグ戦の)広島戦に向け、新戦力と既存の選手をどう組み合わせていくか。考えて準備を進めたい」