
キーウで開かれた記者会見で、ゼレンスキー大統領は、アメリカが他国との二国間問題について議論するのは当然の権利であるとしながらも、トランプ政権がロシアのウラジーミル・プーチン大統領の国際的孤立からの脱却を助けたと指摘した。
写真:会談中のゼレンスキー大統領・トランプ大統領
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この発言は、トランプ政権がサウジアラビアのリヤドでウクライナを排除した米ロ外相会談を行ったこと、そしてトランプ大統領がウクライナ戦争の責任はウクライナにあるとし、ゼレンスキー大統領の支持率がわずか4%であると示唆したことへの反論である。
トランプ大統領はさらに、ウクライナが交渉の場に席がないことに不満を抱いているようだが、実際には過去3年間、そしてそれ以前から席は用意されていたと主張。戦争は簡単に解決できたはずであり、そもそも始めるべきではなかったと述べ、戦争の責任をウクライナに転嫁するような発言を繰り返した。
一方、プーチン大統領はリヤド会談後のコメントで、外相会談を高く評価し、今後の会談プロセスにはウクライナも参加するとトランプ氏から伝えられたと述べた。
リヤド会談に参加したロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、戦争の根本原因の一つはバイデン前米政権がウクライナをNATOに強引に加盟させようとしたことだとするロシアの主張を、トランプ大統領が受け入れたと称賛した。
写真:ロシアのラブロフ外相
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しかし、ゼレンスキー大統領は記者会見で、リヤドでの米ロ外相会談を「悪名高い会談」と呼び、ロシアがそこで嘘をついたと非難。
「ドナルド・トランプ大統領は、彼を選んだアメリカ国民の指導者として尊敬しているが、残念ながら彼は偽情報の世界に生きている」と述べ、自身の支持率についてもロシアが偽情報を流している証拠があると主張。
ゼレンスキー大統領は2019年に任期5年で当選し、ロシアの侵攻後に戒厳令が発令されて以来、選挙が中断されているため、大統領の座にとどまっている。
自身の支持率について記者団から問われると、ゼレンスキー大統領は支持率についてコメントしないことにしているものの、支持率58%という世論調査結果もあると答えた。
また、トランプ大統領のウクライナ特使に対し、「キーウの街を歩き、自分の目ですべてを見てほしい」と呼びかけた。
さらに、ウクライナの鉱物資源と引き換えにアメリカから将来的な安全の保証を得るつもりはないと明言し、自身の国を売るつもりはないと強調した。
ゼレンスキー大統領は、これまでの戦争で3200億ドルの費用がかかり、そのうち約2000億ドルはアメリカとEUが提供したと述べた。これに対し、アメリカはウクライナ支援の90%はアメリカが出したものだと主張していると指摘し、アメリカの支援には感謝しているものの、「真実は別のところにある」と述べた。
会見後、ゼレンスキー大統領はソーシャルメディア「X」に、「ロシアが病的な嘘つきに支配されていることを決して忘れてはならない。彼らは信頼できないし、圧力をかけなくてはならない」と投稿した。
写真:ウクライナのゼレンスキー大統領
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一方、ロシアによるウクライナ侵攻から間もなく3年が経過する中、欧州諸国は情勢への対応に追われている。
フランスのマクロン大統領は欧州各国やカナダの首脳らとウクライナ問題について協議し、イギリスのスターマー首相はゼレンスキー大統領を支持。
ドイツのベアボック外相は「ヨーロッパの真ん中でこの戦争を始めたのはプーチン大統領だけだ」と述べ、フランス政府報道官は「アメリカの論理を理解するのは困難だ」と述べ、ウクライナへの支持を改めて強調した。
NATO加盟国の首脳らはパリで緊急首脳会議を開き、ウクライナ支援策を協議。平和維持軍派遣案が出たが、ロシアのラブロフ外相は拒否。
トランプ大統領はこの案を支持したが、アメリカは派遣しないと述べた。
開戦当時のイギリス首相でゼレンスキー大統領を支援したジョンソン元首相は、「戦争を始めたのはウクライナではない」とした上で、「トランプの発言は欧州の人間に衝撃を与えて行動させるためのものだ」と述べた。
トランプ政権で副大統領を務めたペンス氏も、「この戦争を『始めた』のはウクライナではない。何の挑発もされていないのに、数十万人の命を奪う残酷な侵略を開始したのはロシアだ」と述べた。
写真:アメリカのトランプ大統領
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随分昔の話ではあるが、ロシアと貿易をしていた北海道の人間は「ロシア人で信用出来る人間はこれまでに一人ぐらいはいたが基本的に連中は全て嘘つきだと思った方がいい」と
話していた記憶がある。
例えばタラバガニを大量に購入した際に表面だけカニで中身は石ということも普通にあるとのことで、一つ一つをしっかりと点検しないといけないという話だった。
これまでのロシアの歴史を観ると国際条約は約束を破る為に締結したフリをしているとしか思えないような行動が多い。
ただ、ボリスジョンソン元首相が述べた通り、トランプの話術の一つであるきらいは確かにあるようには見える。
ゼレンスキー大統領が指摘するように偽情報空間に生きているのか、騙されたフリをしているのか、それは定かではない
写真:イギリスのボリスジョンソン元首相
日本外国人特派員協会準会員 (社)モナコウィークインターナショナル代表理事 CEO 行政書士 樽谷大助
執筆 国際ジャーナリスト KANAME YAGIHASHI
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