東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- PHC株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:森本恭史、以下「PHC」)は、このたび、医療機関および研究施設向けに、ノンフロン自然冷媒(*1)とインバーター制御コンプレッサーを搭載した、薬用冷蔵ショーケース「MPR-S500H/S500RH」(*2)およびフリーザー付き薬用保冷庫「MPR-N250FH/N250FSH」(*3)を発売しましたので、お知らせします。
創薬やライフサイエンス研究の進展によってバイオ医薬品やワクチンなどの保存要件が複雑になるとともに、より厳格な温度管理を要する医薬品が増える中、それぞれの医薬品に適切で安定した温度帯で、より正確に保存するコールドチェーンが必要とされています。加えて、国際連合が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)(*4)」の達成に向けた世界的な取組みの推進に伴い、地球環境に配慮した製品がこれまで以上に求められています。
このたび発売した薬用冷蔵ショーケースおよび薬用保冷庫は、医療機関や創薬・ライフサイエンス研究で使用される冷凍・冷蔵医薬品や貴重な試料を安心して保存できるだけでなく、エネルギー消費を抑制し、地球環境への負荷の低減にも貢献する、PHCのコールドチェーン(*5)ソリューションです。
両製品は、冷却効率が高く環境負荷の少ないノンフロン自然冷媒と、電力消費を低減するインバーター制御コンプレッサーの採用により、大幅な消費電力の削減を実現しました。特に薬用冷蔵ショーケース「MPR-S500H/S500RH」では、除霜時の庫内温度上昇を抑えるサイクルデフロスト除霜機構(*6)の制御を最適化することでさらに電力消費を低減します。その結果、従来機種との比較において約80%もの消費電力量を削減(*7)し、業界をリードする省エネ性能の実現を可能にしました。
また、インバーター制御コンプレッサーによる温度変動の低減のほか、新しいキャビネット設計による庫内温度の均一性の向上など、より高精度の温度制御を実現するために新たに改良を両製品に加えました。さらに、庫内の温度変化による警報やドア開閉履歴の自動保存を通じて庫内温度を継続的にトレースし、ログデータをUSBに出力することで医薬品の温度管理状態をエビデンスとして残すことも可能です。これらの機能を通じて、PHCの新しい薬用冷蔵ショーケースおよび薬用保冷庫は、地球環境への負荷を低減し、医薬品や試料の保存基準に適合する、より安定した冷凍・冷蔵環境を実現します。
PHCは、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの事業領域で開発、製造、販売、サービスをグローバルに行うPHCホールディングス株式会社の日本における事業会社です。このたび発売した製品は、PHCのライフサイエンス事業におけるコールドチェーンソリューションにおいて、地球環境保護および省エネルギー化に寄与する製品ポートフォリオの拡充につながるものです。
PHCホールディングス株式会社にて執行役員および診断・ライフサイエンス共同ドメイン長を務める中村伸朗は、「当社のライフサイエンス事業は、1966年の薬用保冷庫の発売にその歴史が始まります。50年以上にわたる技術開発の積み重ねを経て、現在、同製品はアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の薬事ガイドラインに準拠する高い品質を備え、新型コロナウイルス感染症のワクチンをはじめとする貴重な医薬品や試料の安定保存のため、国内外の多くの研究者や医療従事者の皆様にお使いいただいております。さらに、米国環境保護庁(EPA)および米国エネルギー省(DOE)が創設した省エネルギー型電気製品の国際認定制度『Energy Star』に基づき、当社の保存機器19機種(*8)に『Energy Star』認証が付与されるなど、当社製品の省エネルギー性能は高く評価されています。このたび発売した薬用冷蔵ショーケースと薬用保冷庫を含む当社のノンフロン コールドチェーンソリューションを通じて、研究者や医療従事者の皆様の様々なニーズを満たす低温保存環境を提供するとともに、省エネルギー化の推進による持続可能な地球環境の創生に貢献してまいります」と述べています。
(*1) アンモニア、二酸化炭素などの自然界に存在する物質を使用した冷媒。従来、冷媒に使われていたオゾン層破壊物質であるフロンを用いていないため、環境への悪影響が少ないとされる。
(*2) 2℃から14℃の温度帯の製品。
MPR-S500H:www.phchd.com/jp/biomedical/preservation/pharmaceutical-refrigerators/mpr-s500h
MPR-S500RH:www.phchd.com/jp/biomedical/preservation/pharmaceutical-refrigerators/mpr-s500rh
(*3) 2℃から14℃の温度帯の薬用保冷庫と、30℃の冷却能力を持つメディカルフリーザーを一体化した製品。
MPR-N250FH:www.phchd.com/jp/biomedical/preservation/pharmaceutical-refrigerators/mpr-n250fh
MPR-N250FSH:www.phchd.com/jp/biomedical/preservation/pharmaceutical-refrigerators/mpr-n250fsh
(*4) Sustainable Development Goals:「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現するための2030年を年限とする17の国際目標。
(*5) 低温管理が必要な製品を低温度の状態を保ちながら流通させる仕組み。
(*6) 冷蔵庫内の霜を取り除く運転方法。
(*7) 従来機種(薬用冷蔵ショーケース:MPR-514/MPR-514R)との比較。
(*8) PHCの「Energy Star」認定製品:
(薬用冷蔵ショーケース/薬用保冷庫)MPR-514-PA、MPR-514R-PA、MPR-722R-PA、MPR-722-PA、MPR-1014-PA、MPR-1014R-PA、MPR-1412R-PA、MPR-1412-PA、MPR-S300H-PA
(超低温フリーザー)MDF-DU502VH-PA、MDF-DU502VHA-PA、MDF-DU702VH-PA、MDF-DU702VHA-PA、MDF-DU901VHA-PA
(バイオメディカルフリーザー)MDF-U731-PA、MDF-MU339HL-PA、MDF-U731M-PA
(その他)TSU-4RW-N6、SF-L6111W-PA
詳細:ENERGY STAR Certified Lab Grade Refrigerators and Freezers | EPA ENERGY STAR (英語ウェブサイト)
<PHCホールディングス株式会社について>
PHCホールディングス株式会社は、傘下にPHC株式会社やアセンシア ダイアベティスケアホールディングス株式会社、エプレディア、株式会社LSIメディエンスなどを持つグローバルヘルスケア企業です。健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献することを経営理念とし、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの事業領域において、開発、製造、販売、サービスを行っています。2020年度のグループ連結売上高は3,060億円、世界125カ国以上のお客様に製品・サービスをお使いいただいています。
www.phchd.com/jp
<PHC株式会社・バイオメディカ事業部について>
1969年に設立されたPHC株式会社は、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの事業領域で開発、製造、販売、サービスをグローバルに行うPHCホールディングス株式会社の日本における事業会社です。ライフサイエンス事業を行うバイオメディカ事業部では、CO2インキュベーターや超低温フリーザーをはじめとした研究・医療支援機器およびサービスの提供を通じて、110カ国以上の科学者と研究者への研究支援に取り組んでいます。
www.phchd.com/jp/biomedical/about-phcbi
Contacts
【お問い合わせ先】
PHCホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部
岡田 昌代
電話:03-6778-5311