- 主要評価項目を達成し、ドラベ症候群およびレノックス・ガストー症候群の試験参加者全体において、プラセボとの比較でベースラインから統計学的に有意な発作頻度の減少を実証(p=0.0007)
- ドラベ症候群コホートにおいてプラセボとの比較で発作頻度がベースラインから統計学的に有意に減少(p=0.0007)、有効性を強固に裏付ける本結果に基づき、武田薬品とオビドはドラベ症候群におけるソチクレスタットの第3相試験の登録プログラムを開始する計画
- レノックス・ガストー症候群コホートのデータでは、プラセボとの比較で発作頻度は数値的に減少したが、統計学的な有意性は達成できず(p=0.1279)、レノックス・ガストー症候群患者を対象にデータ解析を継続中
- ソチクレスタットの忍容性は良好であり、これまでの試験の知見と一貫性がある安全性プロファイルを実証し、新たな安全上の警告は確認されず
- オビドが本日午前8時(東部時間)に電話会議とウェブキャストを主催
ニューヨーク & 大阪--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)(以下「武田薬品」)と、希少神経疾患患者の生活を大きく変える医薬品の開発に傾倒するバイオ製薬企業のオビド・セラピューティクス(NASDAQ: OVID)(以下「オビド」)は本日、ドラベ症候群(DS)またはレノックス・ガストー症候群(LGS)の小児患者を対象としたソチクレスタットのランダム化第2相ELEKTRA試験の良好なトップラインデータを発表しました。ソチクレスタットは、選択性が高く強力なファーストインクラスの経口コレステロール24ヒドロキシラーゼ(CH24H)阻害剤です。DSやLGSを含む高難治性てんかん症候群の一種である希少発達性/てんかん性脳症(DEE)の治療薬として、オビドと武田薬品が研究しています。
ELEKTRA試験では主要評価項目を達成し、12週間の維持療法期において、けいれん発作(DS)および脱力発作(LGS)の頻度がプラセボ投与群では中央値で3.1%増加したのに対し、ソチクレスタット投与群ではベースラインから中央値で27.8%の統計学的に有意な減少を実証しました(維持療法期において発作が見られた120例での有効性解析に基づき、プラセボ調整後の減少率中央値=30.5%、p=0.0007)。さらに、ELEKTRA試験の20週間の全治療期間(用量最適化期および維持療法期)において、けいれん発作(DS)および脱力発作(LGS)の頻度の変化がプラセボ投与群では中央値で0.0%であったのに対し、ソチクレスタット治療を受けたDS/LGS患者群では中央値で29.8%の減少を実証しました(プラセボ調整後の減少率=25.1%、p=0.0024)。
ELEKTRA試験のDSコホート(n=51)では、20週間の試験の全治療期間において、けいれん発作頻度がプラセボを投与された患者群では中央値で7.0%増加したのに対し、ソチクレスタット治療を受けた患者群では中央値で33.8%の減少を実証しました (プラセボ調整後のけいれん発作頻度の減少率中央値=46.0%、p=0.0007)。これらのデータに基づき、DS患者を対象としたソチクレスタットの第3相試験登録プログラムの開始について規制当局と協議する計画です。
ELEKTRA試験のLGSコホート(n=88)では、20週間の試験の全治療期間において、脱力発作頻度がプラセボを投与された患者群では中央値で6.0%減少したのに対し、ソチクレスタット治療を受けた患者群では中央値で20.6%の減少を実証しました(プラセボ調整後の脱力発作頻度の減少率中央値=14.8%、p=0.1279)。ソチクレスタットの開発に向けてとり得る次のステップについての理解を深めるため、この不均一性の高い患者群における追加解析を実施中です。
ELEKTRA試験において、ソチクレスタットの忍容性は概ね良好で、これまでの試験の知見と一貫性がある安全性プロファイルを実証し、新たな安全上の警告は確認されませんでした。ELEKTRA試験を完了したすべての患者がENDYMION非盲検延長試験への登録を選択しました。ENDYMION試験から得た知見も本日報告します。
オビドの社長兼最高医学責任者(CMO)であるAmit Rakhit(M.D., MBA)は、次のように述べています。「これらの結果は、ソチクレスタット治療を受けたドラベ症候群の患者さんにおける発作頻度の統計学的に有意な減少に加え、レノックス・ガストー症候群の患者さんの発作頻度が減少する傾向を明瞭に示すものであり、私たちはこれらの結果に大変励まされています。引き続き武田薬品と協業し、DS患者さんを対象としたソチクレスタットの第3相試験登録プログラムを開始するとともに、ELEKTRA試験およびENDYMION試験におけるLGS患者さんのデータを分析し、とり得る次のステップを明確にしていくことができるものと期待しています。また、極めて難治性の別のタイプのDEEであるCDKL5遺伝子変異症候群または15q重複症候群を有する患者さんを対象としたソチクレスタットの非盲検第2相ARCADE試験のデータを、今四半期の後半に報告できる見込みです。」
武田薬品Neuroscience Therapeutic Area Unitのヘッドを務めるサラ・シェイク(M.D.、M.Sc.、MRCP)は、次のように述べています。「これらの良好な結果が得られ、まずは治療抵抗性の発作を管理するためのさらなる選択肢を必要としているドラベ症候群の小児患者さんの治療薬候補を追求すべく、ソチクレスタットを後期臨床開発段階に進めることができて、うれしく思います。ソチクレスタットとその新規作用機序は武田薬品が発見したものであり、当社はオビド・セラピューティクスとの強力な提携関係の下、足並みを揃えた1つのチームとして、引き続きその科学と臨床開発を大いに前進させていきます。」
The Hospital for Sick Children(トロント小児病院)の小児神経科医でトロント大学小児科准教授のセシル・ハーン医師(M.D.、MPH)は、次のように述べています。「DSやLGSのような発達性てんかん性脳症の小児患者さんは、治療抵抗性の発作を管理するためにさらなる選択肢を必要としています。ELEKTRA試験の結果は、特に小児DS患者さんに対して非常に有望であり、発作の負荷を臨床的に有意義に軽減できることを示すものです。さらに、本試験でソチクレスタットの忍容性は良好でした。」
第2相ELEKTRA試験のデザインおよびベースライン時の患者背景
ELEKTRA試験は、DS (けいれん発作)またはLGS (脱力発作)に関連する極めて難治性のてんかん発作を有する2~17 歳の小児患者を対象に、ソチクレスタットによる治療を評価するようにデザインした国際多施設共同ランダム化二重盲検プラセボ対照試験です。本試験では、ベースライン時の発作頻度を確定するための4~6週間のスクリーニング期間に続き、8週間の用量最適化期および12週間の維持療法期を含む20週間の二重盲検治療期間を設定しています。8週間の用量最適化期に、患者は100mg 1日2回から200mg 1日2回、さらに300mg 1日2回(体重60kg未満の場合はmg/kgベースで投与)まで、漸増してソチクレスタットの経口投与を受けました。
計141人の患者をELEKTRA試験に登録し、126人が試験を完了しました。有効性に関する評価項目を評価するために、139人の患者を対象に修正治療企図(mITT)解析を実施しました。解析対象には、本試験に登録され、治験薬を少なくとも1回投与された患者すべてが含まれます。本試験においては、抗てんかん薬(AED)を1~4剤まで併用可能とし、大多数の患者が3剤以上のAEDの併用治療を受けていました。併用投与されることが最も多かったAEDは、バルプロ酸、クロバザム、レベチラセタム、トピラマートでした。
第2相ELEKTRA試験の有効性に関するトップラインデータ
本試験では主要評価項目を達成し、12週間の維持療法期において、けいれん発作(DS)および脱力発作(LGS)の頻度がプラセボ投与群では中央値で3.1%増加したのに対し、ソチクレスタット投与群ではベースラインから中央値で27.8%の減少を実証しました(維持療法期において発作が見られた120例での有効性解析に基づき、プラセボ調整後の減少率中央値=30.5%、p=0.0007)。DSにおけるmITT 解析対象の患者群では、20週間の全治療期間中の発作頻度が、プラセボ投与群では7.0%増加したのに対し、ソチクレスタット投与群ではベースラインから中央値で33.8%減少しました(プラセボ調整後の減少率中央値=46.0%、p=0.0007)。LGSにおけるmITT解析対象の患者群では、全治療期間中の発作頻度が、プラセボ投与群では6.0%減少したのに対し、ソチクレスタット投与群ではベースラインから中央値で20.6%減少しました(プラセボ調整後の減少率中央値=14.8%、p=0.1279)。
第2相ELEKTRA試験の安全性に関するトップラインデータ
ソチクレスタットは本試験において忍容性が良好でした。これらの知見はこれまでの試験と一貫性があり、新たな安全上の警告は確認されませんでした。試験治療下で発現した有害事象の発現率は、ソチクレスタット治療群とプラセボ群の両群で同等であり、治療下で有害事象を少なくとも1回経験した患者はソチクレスタット投与群で57例(80.3%)であったのに対して、プラセボ投与群では52例(74.3%)でした。ソチクレスタット投与群で試験治療下で発現した有害事象のうち、プラセボ投与群との発現頻度の差が5%以上あった有害事象は、嗜眠および便秘でした。重篤な有害事象の発現率は、ソチクレスタット投与群とプラセボ投与群の両群で同等であり、試験治療下で重篤な有害事象を少なくとも1回経験したのはソチクレスタット投与群で11例(15.5%) であったのに対して、プラセボ群で13例(18.6%)でした。死亡例は報告されていません。
ENDYMION非盲検延長試験のアップデート
ELEKTRA試験を完了した患者全員が、ENDYMION非盲検延長試験での継続を選択しました。本試験の主目的は、希少てんかん患者を対象に、4年間にわたりソチクレスタットを長期投与した場合の安全性と忍容性を評価し、ソチクレスタットが発作頻度に及ぼす経時的影響を副次的に評価することです。
ENDYMION試験を継続したELEKTRA試験患者のデータは、コア試験としてのELEKTRA試験の結果を支持するものです。そのデータによれば、ELEKTRA試験でソチクレスタットにランダム割り付けされた患者では6カ月にわたり効果が維持され、先にプラセボ群に割り付けされた患者群のベースラインと比較してけいれん発作頻度の減少が同様に見られました。ENDYMION試験において、新たな安全上の警告は確認されませんでした。
ソチクレスタット(TAK-935/OV935)について
ソチクレスタットは選択性が高く強力なファーストインクラスのコレステロール24ヒドロキシラーゼ(CH24H)阻害剤であり、発作感受性を低下させ、発作制御を改善する可能性があります。CH24Hは主に脳で発現し、そこでコレステロールを24S‐ヒドロキシコレステロール(24HC)に変換し、脳コレステロールのホメオスタシスバランスを調節します。24HCはNMDA受容体のポジティブアロステリックモジュレーターであり、てんかんに関連するグルタミン酸作動性シグナル伝達を調節します。グルタミン酸は脳内の主要な神経伝達物質の1つであり、発作の開始および進展で役割を果たすことが示されています。最近の論文では、CH24HがNMDAチャンネルの調節を介してグルタミン酸経路の過度な活性化に関与し、CH24Hの発現増加がアストロサイトによるグルタミン酸の再取り込みを妨げ、てんかん原性と神経毒性をもたらすことが示されています。ソチクレスタットによるCH24Hの阻害は24HCのニューロンレベルを低下させ、NMDAチャンネル活性の興奮性/抑制性バランスを改善する可能性があります。
武田薬品とオビドは、ソチクレスタットの開発・商業化にかかる費用を50/50の割合で分担するとともに、成功した場合には利益も50/50の割合で分配します。武田薬品は、日本における商業化を担当し、アジアの他国およびその他の一定の諸国における商業化を手掛けるオプション権を持ちます。オビドはソチクレスタットの開発と、米国、欧州、カナダ、イスラエルにおける商業化を担当します。本契約の条項の下、武田薬品はオビドの株式を取得しました。また、ソチクレスタット開発の進捗に基づき、一定のマイルストーン支払いを受領する権利を有します。
ドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群について
ドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群は、希少てんかん症候群の不均一なグループである発達性/てんかん性脳症(DEE)の一種です。ドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群は、典型的な場合で乳児期または幼児期に発症し、多くの抗発作薬に高い難治性を示します。
ドラベ症候群はSCN1A遺伝子の遺伝子変異を原因とすることが最も多く、米国ではおよそ1万5000人から2万1000人に1人の割合で発症します。ドラベ症候群は、けいれん性強直間代発作に進展し得る遷延性焦点発作が特徴です。ドラベ症候群の小児患者は、発作の増加に伴って発達障害を経験します。その他の一般的症状には、食欲の変化、平衡感覚の悪化、かがみ歩行などがあります。
レノックス・ガストー症候群は、米国ではおよそ1万1000人に1人が罹患すると推定されています。レノックス・ガストー症候群は不均一な病態であり、数種類の発作、最も一般的には弛緩性発作(脱力)、強直性発作、非定型欠神発作が特徴です。レノックス・ガストー症候群の小児患者は、認知機能障害、発達上のマイルストーン達成の遅れ、行動上の問題を引き起こす場合もあります。レノックス・ガストー症候群は種々の基礎疾患が原因となり得ますが、原因を特定できない場合もあります。
オビドの電話会議とウェブキャストに関する情報
オビド・セラピューティクスは、本日午前8時(東部時間)に電話会議とウェブキャストをライブで開催します。ライブウェブキャストには、当社ウェブサイトの投資家セクション(investors.ovidrx.com)からアクセスできます。あるいは866-830-1640(米国)または210-874-7820(国際)に電話して、ライブ電話会議を聞くこともできます。ライブ電話会議の会議ID番号は7926217です。ウェブキャストの再生は、ライブ電話会議の終了後に当社のウェブサイトで可能となります。
武田薬品工業株式会社について
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.comをご覧ください。
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オビド・セラピューティクスについて
オビド・セラピューティクスはニューヨークを拠点とするバイオ製薬企業として、BoldMedicine®の手法を採用しながら、希少神経疾患の患者さんの生活を大きく変える医薬品の開発に当たっています。オビドは、幅広いパイプラインのファーストインクラス治療薬候補を有しています。当社の最も先進的な治験薬であるOV101(gaboxadol)は現在、アンジェルマン症候群および脆弱X症候群の治療薬として臨床開発中です。またオビドは、武田薬品工業株式会社と協業して、希少発達性/てんかん性脳症(DEE) の治療薬候補としてOV935(ソチクレスタット)を開発しています。オビドに関する詳細情報については、www.ovidrx.comをご覧ください。
オビドの将来に関する見通し情報
本プレスリリースには、ソチクレスタットの潜在的利点、臨床・規制上の進展、商業化に関する記述のほか、武田薬品との協業の潜在的な価値と利点、臨床データの期待される報告スケジュール、データが今後の開発を支える見込み、データと治療成績との関連性などに関する記述など、これらに限定されませんが、将来に関する見通し情報を含む一定の開示情報が含まれます。将来見通し情報は「だろう(will)」、「らしい(appears)」、「信じる(believes)」、「期待する(expects)」などの単語を含むため、見分けが付きます。将来見通し情報はオビドの現在の期待と仮定に基づいています。将来見通し情報は将来に関係しているため、本来的な不確実性・リスク・状況の変化の影響を受けるものでり、これらは将来見通し情報で想定された内容とは大きく異なる場合があり、将来見通し情報は歴史的事実の記述でもなければ、将来の業績の保証ないし言質とはなりません。実際の結果が将来見通し情報の内容とは大きく異なる場合の重要な要因になり得るものには、開発・薬事承認プロセスにおける不確実性、臨床試験の初期データが当該臨床試験の最終結果を示すものでも保証するものでもないという事実、1つ以上の臨床転帰が患者組み込みの継続もしくはさらなる患者データの取得またはこれらの両方によって大きく変化する可能性があるというリスクの影響を臨床試験の初期データが受けるという事実が含まれます。実際の結果が将来見通し情報の内容とは大きく異なる場合の要因となるその他のリスクは、オビドが米国証券取引委員会に提出した書類の「リスク要因」の見出しのセクションに記載されています。そうしたリスクはCOVID-19の世界的流行病とそれがオビドの事業および世界経済に及ぼす潜在的な影響によって増幅される可能性があります。オビドは、本プレスリリースに含まれるどの将来見通し情報についても、たとえ新情報が得られたとしても、期待における何らかの変化を反映させるために更新する義務を負うものではありません。
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