コミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」の開発・販売を行う株式会社シンカ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長CEO 江尻高宏、以下、「シンカ」)は、全国の男女519人を対象に「2025年 カスタマーハラスメント実態調査」を実施しました。2023年の労働災害認定基準改正や、2025年4月の東京都による「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」(以下、「カスハラ防止条例」)施行など、企業にこれまで以上に従業員保護の具体的な対応が強く求められる中、本調査は、企業のカスハラ対策の現状と課題、特に「正当なクレーム」と「カスハラ」の線引きの曖昧さや、経営層が考える「従業員保護」と現場従業員が実感する「保護の実態」との間に大きなギャップがある深刻な実態が浮き彫りになりました。
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調査背景
2023年、厚生労働省は労災認定基準を改正し、カスハラが精神障害の労災認定基準に追加されました。さらに、2025年4月には東京都で「カスハラ防止条例」が施行され、企業には従業員をカスハラから守るための具体的な対応がこれまで以上に強く求められています。
シンカは、通話録音や顧客対応履歴の可視化といったサービスを通じて、顧客対応の現場と顧客のあいだにより円滑なコミュニケーションが生まれる仕組みづくりの支援をしてきました。本調査は、そうしたコミュニケーションの質に着目し、カスハラ対策の現状と課題を明らかにすることを目的として実施しました。
本調査では、顧客対応の現場と経営層のカスハラ対策、特に従業員保護に対する意識に大きな乖離があることが明確に浮き彫りになりました。私たちは、経営層が「従業員を守っている」と認識している"つもり"が、現場の実態と大きく異なり、対策の遅れにつながっている可能性を深く懸念しています。本調査の結果が、この現状を経営層が真摯に受け止め、組織全体で取り組むべきカスハラ対策の方向性を示す一助となることを期待しています。
調査結果
【調査結果のまとめ】
カスハラの主な種類と行動:
・長時間拘束や繰り返しクレーム、暴言・侮辱が多く報告された。
・被害者の半数が上司に相談する一方、何もせずというケースは減少傾向。
カスハラ対策への期待:
・専門部署設置や録音・録画機器導入、対応ポリシー・マニュアル策定への期待が高い。
従業員保護と顧客満足の両立:
・両立困難と感じる会社では、ガイドライン整備や専門窓口設置を求める声がある。
・従業員保護について、経営層と現場では認識の差が大きい(2割以上の乖離)。
正当なクレームとカスハラの線引き:
・約4割の企業で「正当なクレーム」と「カスハラ」の線引きが未確立。
【カスハラの種類・カスハラを受けた後の行動】
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■過去3年間にカスハラを受けた人に、カスハラの種類を聞いたところ、「長時間の拘束や同じ内容を繰り返すクレーム」が最も多く46.6%、「名誉毀損・侮辱・ひどい暴言」が41.6%という結果になった。
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■その後、どのような行動をとったかを聞いたところ、「会社の上司に相談した」が50.1%ともっとも多かった。一方で「何もしなかった」が11.4%となった
【カスハラ対策として効果が期待できる施策】
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■全体では、「カスハラ問題に専門的に対応する部署・チーム等の整備」が54.3%、「録音・録画機器の導入」が46.6%と答えた人が多かった。
【従業員保護と顧客満足の両立】
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■従業員保護と顧客満足のバランスについて両立可能かどうかを聞いたところ、「両立できない」と回答した人は154人だった。「両立できない」と回答した人に、追加の質問として、両立のために必要な施策について聞いたところ、「クレーム対応のガイドライン整備と明確化」(44.8%)と「カスハラ対応専門窓口の設置」(35.1%)の施策に期待する人が多かった。
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■従業員保護と顧客満足のどちらを優先しているかを経営層(取締役以上)と現場(部長以下)で比較したところ、経営層では「従業員保護を明確に優先しているとやや優先している」が52.8%、「状況に応じてバランスを取っている」が30.0%、「顧客満足を優先」が11.4%となった。一方で現場は「従業員保護を優先」が27.9%、「状況に応じてバランスを取っている」が35.2%、「顧客満足を優先」が25.8%となった。この結果からは、経営層が考える「従業員保護」の意識と、現場の従業員が感じる「従業員保護(守られている実感)」との間に20%以上の乖離が見られた。これは、経営層が従業員を守っている"つもり"でも、その意識や施策が現場に十分伝わっていない、あるいは機能していない可能性を示唆している。
【「正当なクレーム」と「カスハラ」の線引き】
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■「正当なクレーム」と「カスハラ」の線引きができているか聞いたところ、「あまり線引きされていない(29.4%)」または「まったく線引きされていない(13.4%)」と感じている組織が合計で42.8%に上ることが判明した。これは、多くの企業が明確な判断基準を持たず、対応が個人の判断に任されることも要因であると考えられる。企業が従業員を保護する上で、「正当なクレーム」と「カスハラ」の線引きを明確にすることが、喫緊の課題であることが読み取れる。
代表コメント
株式会社シンカ
代表取締役社長CEO 江尻高宏
本調査から、「正当なクレーム」と「カスハラ」の線引きに課題を感じる企業が多く、経営層が考える「従業員保護」の意識と、現場の従業員が抱く「守られている実感」の間に大きな隔たりがある現状が見えてきました。特に、経営層の強い従業員保護の意識が、現場に十分に浸透していないという厳しい現実が浮き彫りになりました。お客様からの貴重なご意見としてのクレームは、サービスの向上に不可欠なものです。一方で、従業員保護と顧客満足の両立は、今後の企業活動において避けて通れないテーマです。
私たちはこれまでも、お客様との対話を大切にし、より良いコミュニケーション環境を築くお手伝いをしてきました。本調査結果は、経営層がこの現状を真摯に受け止め、自身の「つもり」で終わらせず、現場の従業員の声を深く理解し、具体的な行動に移すことの重要性を強く示唆しています。シンカはこれからも、企業とお客様、そして従業員間の円滑な対話を育む支援を通じて、誰もが安心して働ける社会の実現に貢献してまいります。
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調査概要
調査方法:インターネット調査
調査主体:株式会社シンカ
調査期間:2025年6月9日(月)- 2025年6月10日(火)
調査対象:20~69歳 男女(一般企業にお勤めで、過去3年間にご自身、同僚、部下のいずれかが顧客対応中にカスタマーハラスメントを受けたことがある方)
調査対象地域:全国
回答数:519
本リリース内容の転載にあたりましては、出典として「(株)シンカ調べ」という表記をお願いいたします。
本調査は「2025年 カスタマーハラスメント実態調査」の一部を抜粋したものになります。
完全版はカイクラのサービスサイトにて2025年7月末にホワイトペーパーとしてダウンロードいただけます。
次世代型コミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」公式サイト:https://kaiwa.cloud/
カイクラについて
「カイクラ」は、電話/メール/ビデオ通話/SMS/LINE/LINEWORKSなど、様々なコミュニケーションアプリのやりとりを一元管理できる、コミュニケーションプラットフォームです。異なるコミュニケーション手段を用いても、顧客ごとにコミュニケーション履歴情報が整理された状態で閲覧できるため、担当者以外でもこれまでの経緯を把握した上で、顧客対応することが可能になります。
「カイクラ」は2014年8⽉のサービス開始以来、2,900社、5,700拠点以上で利⽤されています。2015年12⽉にNTT東⽇本正式受託商品として認定され、2016年2⽉第8回千代⽥ビジネス⼤賞特別賞、2018年11⽉世界発信コンペティション2018においてサービス部⾨特別賞、2020年11⽉ASPIC IoT・AI・クラウドアワード2020のASP・SaaS部⾨⽀援業務系分野にてベストイノベーション賞を受賞。
2023年1月「ITreview Grid Award」においてCTI部門「2023 Winter Leader」を受賞し、2023年3月にはBOXIL SaaS AWARD Winter 2023 コールセンターシステム(インバウンド)部門で「Good Service」「カスタマイズ性No.1」に選出されました。
カイクラ | すべてのコミュニケーションを一元管理 : https://kaiwa.cloud/
株式会社シンカについて
社名:株式会社シンカ(東証グロース:149A)
代表者:代表取締役社長CEO 江尻 高宏
所在地(本社):〒101-0054 東京都千代⽥区神⽥錦町3-17 廣瀬ビル10階
設立:2014年1月8日
事業内容:ITを活⽤したシステム企画・開発及び運⽤、クラウドサービス商品の企画・開発及び販売運⽤、ITサービス利⽤のコンサルティング
資本金:390百万円
従業員数:65名(2025年3月31日時点)
URL:https://www.thinca.co.jp/
【関連サイト】
次世代型コミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」公式サイト:https://kaiwa.cloud/
会話に関わるお役⽴ち情報メディア「カイクラ.mag」: https://kaiwa.cloud/media/
自動車業界の総合情報プラットフォーム「Car Connect」: https://carconnect.jp/
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