賛同企業と希望学校機関との連携
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賛同企業と希望学校機関との連携
日本国内の企業は、様々なセキュリティ対策を実施しているにも関わらず、セキュリティ侵害の事件は、年々増加傾向にあります。一方で、平成26年にIPA「情報セキュリティ人材の育成に関する基礎調査(追加分析)(※1)」において8万人のセキュリティ人材不足が報告されています。さらに、平成29年に経済産業省調査(※2)より、2020年には19.3万人不足になる予測が報告されるなど、人材不足が解決されるどころか、逆に不足数が大幅に増大している状況です。
現在、社会基盤となるサイバー空間へのセキュリティ対策は必須の条件となるため、内閣官房からの新たな「サイバーセキュリティ戦略(案)(※3)」において人材育成・確保が重点施策の1つとして挙げられています。また、経済産業省から公開されている「産業サイバーセキュリティ強化へ向けたアクションプラン(※4)」では、学官の連携を促進し、学校機関に向けたトレーニングの提供が謳われるなど、国としても様々な施策を打ち出し、セキュリティ人材不足解決に向けての取り組みを計画・実施しているものの、まだまだ効果が不十分である現状です。
【連携の背景】
CompTIAでは従来、学生のITスキル育成支援として「CAPP Academy Program(※5)」を無償で提供しています。また、2018年5月からは、学校機関と産業界との連携を強化する「CompTIAスカラーシップ・プログラム(※6)」の提供を開始しました。近年、学校機関の情報セキュリティ教育においては、最新のハードウエア、ソフトウエア、ノウハウ等に触れる機会は整備されていていますが、体系的、継続的に情報セキュリティ人材を輩出できる仕組みについては欠如しているのが現状です。CompTIAではそれらのギャップ解消に取り組んでおり、学生が変化の激しい情報セキュリティ分野の最新動向に的確に対応できるよう、学校機関と外部組織との連携を積極的に活用できる体制を作りたいと考えていました。
「国策だけでのセキュリティ人材不足への対応は、スピード感や育成する人材数への対応が困難であり、民間でも対応可能な施策を実施すべき」との考えと、「将来を担うセキュリティ人材として、学生に適切なセキュリティスキルを身に着けてもらいたい」という各社の思惑が一致し、共同でセキュリティエンジニアを目指す学生への支援をすることとなりました。
【今後の展開】
2018年7月以降、全国57校の高等専門学校を中心に、CAPP Academyに登録をしている約150校の大学、専門学校の希望する学校に対して、支援を行っていく予定です。この取り組みを通して、2018年度は約500人に対してセキュリティスキル育成に取り組んでいく予定です。
高等専門学校では、「情報セキュリティ人材育成事業(K-SEC)」プロジェクトを通したセキュリティ人材の輩出が目標とされています。今回の取り組みでは、K-SECプロジェクトに対しても支援を行っていく予定です。
また、セキュリティスキルの育成だけではなく、学生の就業意識の向上や産業界への理解を深める活動なども並行して行っていく予定です。
【CompTIA日本支局Webページ】
https://www.comptia.jp/press/180904.html
【参考】
※1 IPA「情報セキュリティ人材不足数等に関する追加分析について(概要)」
https://www.ipa.go.jp/files/000040646.pdf
※2 経済産業省「今後の情報政策・商務サービス政策の重点について」
http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shojo/pdf/004_03_00.pdf
※3 内閣官房(NISC)「サイバーセキュリティ戦略(案)」
https://www.nisc.go.jp/conference/cs/dai18/pdf/18shiryou01.pdf
※4 経済産業省「産業サイバーセキュリティ強化へ向けたアクションプラン」
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoujo/sangyo_cyber/pdf/002_03_00.pdf
<※5 CAPP Academy Programとは>
CAPP Academy Programは、CompTIAがワールドワイドで提供している学校機関や非営利/政府系のトレーニング機関を対象としたプログラムです。
本プログラムでは、IT業界で広く認知されているIT認定資格の取得支援や、習得した知識とスキルをより実践的なスキルとして育成するため「スキル実践」の場の提供や、「キャリア育成」の支援などの活動を実施しています。
<※6 CompTIAスカラーシップ・プログラムとは>
CompTIAスカラーシップ・プログラムは、CompTIAがワールドワイドで展開する学校機関向けのプログラム「CAPP(CompTIA Authorized Partner Program)Academy」においてCompTIA認定資格の取得を目指し学習を進める学生に対し、未来のIT業界を担う人材の育成に賛同をいただく企業から資格取得に必要な受験料の一部を負担いただく制度となります。