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給与天引きで初任給0円 ミャンマー人女性が「三ツ矢堂製麺」を提訴


ミャンマーから特定技能制度を利用して来日した28歳の女性が、勤務していたラーメン店「三ツ矢堂製麺」の運営会社に対して違法な給与天引きを理由に約170万円の未払い賃金を求めて東京地裁に提訴しました。女性は渡航費用などを給与から一方的に引かれ、初任給は0円になったと主張しています。続く給与の支給額も少額で、改善を求めたが会社の対応は変わらなかったため提訴に至りました。女性の代理人弁護士は、この状況を特定技能制度の悪用と非難しています。

 勤務していたラーメン店「三ツ矢堂製麺」から違法な天引きを受けたとして、特定技能制度を利用して来日したミャンマー人の女性(28)が運営会社(東京都渋谷区)を相手取り、未払い賃金など計約170万円の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こした。運営会社が立て替えた渡航費などが給与から一方的に差し引かれ、初任給が「0円」だったとしている。

 提訴は6月16日付。訴状などによると、女性は特定技能の受け入れ先として三ツ矢堂製麺の都内の店舗で働くことが決まり、1月下旬にミャンマーから来日した。社宅から通い、基本給や固定残業代など約25万円から保険料や社宅費が差し引かれ、翌月に約18万円が支給される契約だった。

 女性は働き始めて約1カ月で会社側から退社を要求され、会社が立て替えた渡航費などを支払うよう求められた。応じずにいると、3月分給与(初任給)から一方的に天引きされ、支給額は0円となった。

 その後も同様の天引きが続き、4月の支給額は約4万円、5月は約12万円だった。女性が改善を申し入れても会社側の対応は変わらず、6月15日付で退社した。

 女性は外国人支援に取り組む弁護士らの力を借りて提訴した。運営会社は弁護士に「女性は研修内容などを理解していない」と退社要求の理由を伝えてきたという。女性側は「労働者の同意がない給与からの天引きは労働基準法が禁じている」と主張している。

 特定技能は、人手不足が深刻な特定の産業で外国人労働者を受け入れるため、2019年に設けられた制度。外食も対象産業で一定の水準を満たせば外食業間での転職は可能だが、副業は認められていない。給与が天引きされた3~5月、女性は支援団体や友人らの援助を受けて生活したという。

 代理人の冨田さとこ弁護士は「簡単に勤務先を変えられない特定技能外国人の立場につけ込んだ非人道的なやり方だ」と批判する。

 「三ツ矢堂製麺」は国内外で22店舗を展開。運営会社にコメントを求めたが、期限までに回答はなかった。【安元久美子】

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