
イスラエル軍は18日、パレスチナ自治区ガザ地区の北部と南部で大規模な地上侵攻を開始したと発表した。イスラム組織ハマスの壊滅を目指す戦闘拡大計画の一環としている。中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、ガザでは空爆なども含めて18日だけで140人以上が死亡し、犠牲者が増え続けている。
一方、イスラエル首相府は同日、3月以降停止していたガザ地区への支援物資の搬入を再開させると発表した。「飢餓が発生しないよう、必要最低限の食料を供給する」としている。
本格的な地上侵攻に先立ち、イスラエル軍はガザ全域へ大規模な空爆を実施し、ハマスの武器庫や対戦車ミサイル発射拠点など670カ所以上を攻撃したと発表した。またカッツ国防相は、13日の空爆で標的にしたハマス最高幹部のムハンマド・シンワル氏が死亡したとの見方を示した。
AP通信によると、18日は南部ハンユニス周辺で少なくとも48人が死亡し、このうち18人は子どもだったという。北部ジャバリヤの難民キャンプでは一家9人が死亡した。ガザ保健当局は、2023年10月の戦闘開始以来のガザ側の死者数が5万3339人になったと発表した。【エルサレム松岡大地、ベイルート金子淳】