
イスラエルのネタニヤフ首相は2日、パレスチナ自治区ガザ地区南部のラファとハンユニスの2都市を分断する「モラグ回廊」を軍が掌握したと明らかにした。軍はガザのイスラム組織ハマスに圧力をかけるため、各地域を分断する形で地上作戦を強化。戦線は拡大の一途をたどっている。
イスラエルメディアによると、モラグ回廊は2005年までユダヤ人入植地があった場所だという。2都市の分断で、住民の移動が困難になる可能性がある。ネタニヤフ氏は、ハマスに人質を解放させるための圧力として、軍が掌握する地域を広げると強調した。
イスラエルはこれまでに、ガザを南北に分断する「ネツァリム回廊」を制圧している。また、武器の密輸を防ぐためとして、ガザ南部とエジプトとの境界にある「フィラデルフィ回廊」も掌握している。
イスラエル軍は2日も、ガザへの攻撃を続けた。北部ジャバリヤでは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の診療所が空爆され、新生児を含む少なくとも22人が死亡した。ガザ保健当局は2日、2023年10月の戦闘開始以降のガザ側の死者が5万423人になったと発表した。【エルサレム松岡大地】