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元少年に5408万円賠償命令、母親への請求棄却 福岡・商業施設刺殺


福岡市の大型商業施設で2020年に21歳の女性が刺殺された事件に関する裁判で、福岡地裁は刺殺犯である19歳の男性受刑者に対して5,408万円の損害賠償を命じた。一方で、母親への約7,800万円の損害賠償請求は棄却された。裁判長は、受刑者に完全責任能力があるとし、不法行為責任を問えると述べたが、母親の不適切な監護が直接事件に寄与したとは認められないと判断した。この決定は、母親が過去に受刑者に与えた影響を指摘しつつも、事件を予見するのは困難だったとした。記者会見で被害者の母親は、判決が問題を持つ子どもを放置してもよいという印象を与えると不満を訴えた。

 福岡市の大型商業施設で2020年に女性(当時21歳)が刺殺された事件を巡り、遺族が加害者の男性受刑者(19)=殺人罪などで有罪確定=とその母親に計約7800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁は24日、受刑者のみに計5408万円の支払いを命じた。上田洋幸裁判長は「完全責任能力を有し、不法行為責任を負う」と述べた。一方で母親への請求については「不適切な監護・指導監督が直接事件発生に影響を与えたとは認められない」として棄却した。

 判決などによると、当時15歳だった男性受刑者は20年8月26日に少年院を仮退院したが、母親から身元引き受けを拒否された。更生保護施設に入所したが、同27日に脱走し、翌28日に大型商業施設内で面識のなかった女性を刺殺した。22年に懲役10年以上15年以下の不定期刑が確定した。

 判決は母親の責任について、過去の同居時の不適切な養育などが受刑者の暴力行動に影響を及ぼしたと指摘。仮退院後の身元引き受け拒否は受刑者の更生意欲をそぎ、孤独や不安を与えた面があるとも言及した。ただ、同居は事件の約4年半前までであり、その後に少年院で矯正教育を受けるなどしていたと指摘。親が子の保護を公的機関に委ねることも許容され得るとし、そうした選択をしたとしても「事件発生の可能性を予見するのは困難だった」と判断した。

 判決後に開いた記者会見で、刺殺された女性の母親は「問題のある子どもは施設に預けて放っておいていいと認めるような判決。悔しくてたまりません」と言葉を詰まらせた。【志村一也、佐藤緑平】

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