韓国の進歩系最大野党「共に民主党」の李在明(イジェミョン)代表は26日、検察当局が同氏について請求している背任容疑などの逮捕状の審査を受けるため、ソウル中央地裁に出頭した。韓国メディアは「裁判所は27日未明までに李氏を逮捕するかどうかを判断する見通し」と報じている。
韓国では来春に総選挙を控える。昨年の大統領選で保守系の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と僅差の大接戦を演じた李氏が逮捕されることになれば、同党には大きな打撃となりそうだ。
李氏は26日、裁判所に入る際、記者団の質問に応じなかったが、これまで自らの潔白を主張。尹氏が検事総長経験者であることを念頭に「検事独裁政権の暴走と退行を防ぎ、民生と民主主義を守らなければならない」と批判していた。
検察当局は18日、李氏が都市開発で民間業者に便宜をはかったり、北朝鮮への不正送金にかかわったりしたとして背任や外為法違反などの容疑で逮捕状を請求。李氏は国会議員で、国会(定数300)の同意がない限り、逮捕されない「不逮捕特権」があったが、過半数の議席を握る共に民主党から多数の造反者が出たため、逮捕同意案が可決されていた。
李氏は、「尹政権の強権政治に抗議する」として、8月31日からハンガーストライキ(ハンスト)を続けていたが、開始から24日目の今月23日に終了。その後、回復治療を受けていた。
李氏は、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を強く批判するなど対日強硬派として知られる。その去就は、日韓関係にも間接的な影響を与えることになる。【ソウル坂口裕彦】