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岐阜市の陸上自衛隊射撃場銃撃事件で死亡した菊松安親1等陸曹(52)と八代航佑3等陸曹(25)を知る人たちからは、突然の死を悼む声が相次いでいる。2人が所属した第35普通科連隊がある名古屋市守山区で18日、菊松さんのお別れの会が開かれ、参列者はその人柄や仕事ぶりをしのんだ。
「悔しそうな顔をしていた」。かつて上官だった50代男性は、菊松さんの遺体と対面し、そう語った。
菊松さんとは第35普通科連隊の重迫撃砲中隊で苦楽を共にした。連隊の射撃競技会で「どうやったら勝てるだろうか」と話し合ったのを今も覚えている。「後輩の面倒見もよく、優しかった」。一方、殺人容疑で送検された自衛官候補生(18)について「許せない」と怒りをあらわにした。
陸自OBの60代男性も「真面目な性格だった。あと少しで定年だったのに……」と言葉少なに語った。同僚だったという40代男性は「優しく指導していただいた。何があったか明らかにしてほしい」と望んだ。
菊松さんは宮崎県旧高岡町(現宮崎市)出身で、高校卒業後に陸自に入隊。約20年前まで同県えびの市にある第24普通科連隊に所属した。20代半ばで「レンジャー養成訓練」に参加した経験もある。訓練は陸自で最も厳しいと言われ、その時の様子を知る陸自OBの男性は「正義感や使命感が強く、仲間を引っ張っていた」と振り返る。事件の被害者として、新聞で菊松さんの名前を見て「本当にショックだった。優しくて人思い。人に恨まれるような男ではない」と語った。
一方、八代さんは岐阜県池田町出身。三つ子で、上に兄がいる4人きょうだい。子どものころからサッカーを続けていたという。
幼い頃の八代さんを知る女性は「子どもの少ない地域なので三つ子はかわいがられ、航佑さんは3人の中でも一番元気で活発だった。ニュースで名前を見て驚いた」と話した。同じ小中学校に通ったという女性(26)は「穏やかな人だった。自衛隊に入ったと聞いてすごいと思っていた。どうして巻き添えになったのか……」と涙を浮かべた。【山下俊輔、熊谷佐和子】