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有権者「ばかにしている」 都知事選の掲示板に大量の同じポスター


 20日に告示された東京都知事選(7月7日投開票)で、候補者のポスターを張る掲示板に、同じポスターが大量に張られる事態が起きている。候補者を24人擁立した政治団体が掲示板のスペースを寄付者に譲っていることが主な原因だ。選挙と関係ない人物や主張が掲示板中に広がり、都民からは「有権者をばかにしている」と憤りの声が上がっている。

 東京都中野区の区役所前では21日午後、候補者48人分を掲載できる横長の掲示板に、女性の写真が印刷されたピンク色のポスターが凹の形のように計24枚張られていた。それぞれQRコードが印刷され、スマートフォンをかざすと有料サイトを宣伝するページに誘導された。

 近くの50代女性は「ばかにされているようだ。税金が使われているのだから、常識の範囲内で正しいものを張ってほしい」。男性(74)も「アイドルのポスターかと思った。張る内容を規制できる方法を考えてもいいのでは」とあきれた。

 毎日新聞は都内で、候補者ではない女性格闘家のポスターや、政治的主張が書かれたポスターなどが24枚ずつ張られた掲示板を複数確認した。いずれも、政治団体「NHKから国民を守る党」に関係する24人の候補者がポスターを張るスペースだった。

 同団体は、5000円~1万円(現在は2万5000円)の寄付者に、ポスターを張るスペースを譲る方針を公表している。

 立花孝志党首は21日の記者会見で、一連の動きは「掲示板は無駄だ」と知ってもらうためだとした上で「無くすか徹底的に減らすべきだ。大きな問題提起ができた」との持論を展開した。ただし、内容を把握できていないポスターもあるといい「違法なものや事実と異なる政治的主張は私の判断ではがす」と説明する。

 同団体以外でも、物議を醸すポスターが張られたケースがあった。

 警視庁は20日、選挙ポスター掲示板に卑わいなポスターを掲示したとして、都迷惑防止条例違反(卑わいな言動)の疑いで、諸派の男性候補者に警告を出した。捜査関係者などによると、候補者とは別の女性が裸に近い姿で写り「表現の自由への規制はやめろ」などの記載があった。

 警視庁は、ポスターが公共の場所で卑わいな言動をすることを禁じた都条例に違反すると判断。20日夜に候補者の男性を呼び出し、口頭で警告した。

 都選管によると、大量のポスター掲示については21日だけで1000件以上の苦情が寄せられた。公選法にはポスターを大量に張ることを禁じる規定はないといい、担当者は「警察が事案ごとに(違法性を)判断していくと思う。対応を見守りたい」と話した。

 元自治省(現総務省)選挙部長で公職選挙法に詳しい片木淳弁護士は「選挙と関係ないポスターを大量に張るのは不適切だ。選挙運動は有権者の投票行動を助けるためにあり、公選法が想定した選挙のあり方ではない」と指摘している。【深津誠、島袋太輔、田中綾乃、遠藤龍、加藤昌平】

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