死亡の住吉会前代表を書類送検＝不動産譲渡で資産隠しか―警視庁

　民事訴訟で賠償金の支払いを命じられた後、土地や建物を親族に譲渡し、資産を隠したとして、警視庁は２０日までに、強制執行妨害の疑いで、５月に死亡した指定暴力団住吉会の関功前代表＝当時（７６）＝を容疑者死亡のまま書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。 　送検容疑は、東京高裁による賠償命令が出た半年後の昨年７月、千葉県柏市に所有していた住宅２棟（計約３３５平方メートル）と土地（計約２０００平方メートル）を親族の女性に無償譲渡した疑い。 　捜査関係者によると、書類送検は今年９月。関前代表は、同会系組員が関わった複数の特殊詐欺事件で、暴力団トップの使用者責任を問う損害賠償訴訟を起こされており、警視庁は財産隠しが目的だったとみている。　 　関前代表ら住吉会幹部は昨年１月、７０代女性が現金１０００万円をだまし取られた特殊詐欺事件を巡る損害賠償請求訴訟で、使用者責任が認定され、計約１２００万円を支払うよう東京高裁に命じられた。同年１２月ごろ、原告側が柏市の不動産所有権が移動していることに気付き、同庁に相談し、発覚した。（了）【時事通信社】