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コレラの新薬開発期待=腸管定着の仕組み、詳細解明―大阪大


 下痢を引き起こすコレラ菌が腸管内部に定着する仕組みを詳細に解明したと、大阪大微生物病研究所の中村昇太特任准教授らが14日付の米科学誌サイエンス・アドバンシズに発表した。コレラは抗生物質が効かない薬剤耐性菌の出現が世界的に問題となっており、定着に使うたんぱく質を邪魔する薬剤を開発できれば、新たな治療・予防薬になるという。  コレラ菌には自らが動くのに使う鞭毛(べんもう)とは別に、「4型線毛」という長い糸状の毛が生えている。先端には「定着因子」と呼ばれるたんぱく質が結合しており、腸管内部の粘膜の下にある細胞にいかりのように下ろして定着する。多数のコレラ菌が集まって増殖するとともに、下痢を起こす毒素を出す。  中村氏らはコレラ菌から線毛が伸び始める際、先端に定着因子が結合する様子を、大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)を利用したX線結晶構造解析で解明。結合時には、定着因子にある特定のアミノ酸配列が目印となっていた。  このアミノ酸配列を持つ偽の定着因子を薬剤として線毛に結合させれば、コレラ菌は腸管に定着できず排出される。中村氏は「薬剤候補物質はあり、今後動物モデルで実験したい。新薬が実現すれば、毎日飲むことで下痢を予防したり、症状を軽減したりできるのではないか」と話している。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕コレラ菌の透過型電子顕微鏡写真。人の腸管内部への定着に使う「4型線毛」が生えている(左は拡大写真)(大阪大微生物病研究所中央実験室提供)
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