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屋根の上一夜「冬なら」=想定超え、大震災教訓に宮城・岩手―日本・千島海溝地震


 「ぞっとする」。2011年3月の東日本大震災の津波で壊滅的打撃を受けた宮城県名取市の閖上地区。地域の防災訓練を取り仕切る町内会長の長沼俊幸さん(59)は震災時、雪が舞う中、自宅屋根の上で一昼夜を過ごした。もし厳寒期の真夜中だったら―。「地区のほとんどの人が亡くなっていたのではないか」と危機感を募らせる。  同地区は大震災後、地盤が約7メートルかさ上げされ、転入者も相次ぐ。町内会はできて3年にも満たないが、新型コロナウイルス禍でも防災訓練は欠かさず行ってきた。長沼さんは「新しい町では訓練を繰り返し行い、周りの人を知ることがポイントだ」と強調する。  訓練では避難場所の備品も点検する。震災体験から「指定避難場所以外の集会所などに備えはない。指定場所でなくとも毛布やカイロを備蓄することも考えねば」と語る。「地域防災は簡単にはできない」と説き、地道な取り組みが続く。  岩手県宮古市では大震災発生日に毎年、避難訓練を行う。昨年は海溝地震の浸水想定を反映した暫定ハザードマップを策定し、住民説明会を開いてきた。市の担当者は「想定がどうあれ、高台避難は変わらない」と語る。  大震災時から消防団長を務める山下修治さんも「とにかく高台に自分で逃げること」と力説する。震災では16人の消防団員が亡くなり、津波到着予想の10分前に高台避難するようルールを設けた。  一方、「3月でも雪が降った。夜間ならもっと死者が出たと思う。各家庭で話し合っておくことが大事だ」と話す。  大震災では想定を上回る津波に襲われた。山下さんは「前の津波がここまでだったから大丈夫と思うのが一番怖い」と語り、得られた教訓を伝承する重要性を強調した。(了)【時事通信社】
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