初夏から夏にかけて咲き誇るユリは、昔から世界中の人々から愛されている花です。その華やかさから観賞用はもちろん贈答用としても人気です。日本でも野生として繁殖していますし、もちろん家庭でも育てて楽しむことができます。
そこで、この記事ではユリの特徴とその育て方について紹介していきます。一見難しそうに見えるユリの育成ですが、家庭菜園初心者でも育てやすい花なのでぜひチャレンジしてみてください。
美しく華やかなユリ(百合)
ユリは大きな花びらとその香りの高さで人気のユリは、観賞用はもちろん結婚式などの贈答としても用いられています。 ユリがあるだけでその場が華やかになりますね。 ユリは家庭でも育てて楽しめるので、ユリの特徴と育て方を紹介します。
ユリは100種類以上
ユリの種類は色や形、香りなどさまざまで 世界中でなんと100種類あると言われています。日本では15品種が自生しており 初夏から夏にかけて開花するものが多いです。時期になるとお花屋での切り花や各家庭の庭でよく見かけるようになりますね。
家庭菜園におすすめな品種
日本のユリは オリエンタル系、アジアンティック系、ロンギフローラム系の3系統に分かれ、 主な園芸品種はオリエンタル系、アジアンティック系のユリが多いです。系統別にユリの品種を紹介します。それぞれすてきな特徴があるので、お気に入りの品種が見つかることでしょう。
オリエンタル系
ヤマユリ :山地で生息するユリで日本特産でもあります。花びらは大きく白く咲き、香りも強いです。別名リョウリユリと呼ばれ、湿度が適度にあり排水がよい膨軟地を好みます。
ササユリ :葉の形が笹に似ていることからササユリと呼ばれています。日本を代表するユリで、ヤマユリとも呼ばれます。5月から7月にかけて淡いピンク色の花を咲かせます。
カノコユリ :紅色の鹿ノ子模様の斑点が入っており、カノコユリ(鹿ノ子百合)の名前がつきました。ほとんどが下向きに先、ユリの中でも比較的栽培しやすい品種です。球根は滋養強壮、利尿、咳止め、解熱、消炎の効能があると言われています。
オトメユリ :別名ヒメサユリ(姫小百合)とも呼ばれ、福島、山形、新潟などの一部の地域に分布しているユリです。薄いピンク色の花が可憐でかわいらしく、横向きからやや下向きに咲きます。
アジアンティック系
エゾスカシユリ :日当たりを好み、花を上向きに大きく咲かせるユリです。北海道などに生息し、色味は黄色が強いものから朱色の濃いものまで幅広くとても華やかです。
ヒメユリ :他の品種と比べて大きさは控えめで、漢字で「姫小百合」と表記される可愛らしいユリです。星形に開いた花が上向きに開くので「スター・リリー」のとも呼ばれ、多いものでは1本の茎から10数輪花を咲かせます。
オニユリ :褐色からオレンジ色の深い色合いをしており、斑点が無数に浮かんでいます。その見た目から南国の植物を連想させるエキゾチックな印象を与える品種です。
ロンギフローラム系
テッポウユリ :横や斜め向きに咲くラッパ型や筒状のユリ。純白で優しい香りが特徴です。奄美、沖縄地方に自生しています。
タカサゴユリ :テッポウユリに似たラッパ型のユリで、外側にうすい紫色の線が入っているのが特徴です。生命力が高く、野生でも問題なく繁殖していきます。
ユリに快適な環境をつくる
ユリが育ちやすい快適な環境の準備をしましょう。 ユリの品種それぞれに好みの環境があります。 まずは育てようと思っているユリの品種に適した環境は、どのようなものが合っているのかを調べておきましょう。
ユリが育ちやすい環境は?
ユリは夏に開花する花ですが、 日当たりの良い場所を好む品種と、半日陰を好む品種に分かれます。 家庭で育てる場所を決める際には品種をみてから決めましょう。
日当たりの良い場所を好む品種 :アジアティック系、ロンギフローラム系、トランペット・ハイブリット、スカシユリ、テッポウユリなど
半日陰を好む :オリエンタル系、ササユリ、ヤマユリなど
また、ユリは球根植物なので土の環境が大切になります。 土の中に根を張り巡らせ、呼吸をして栄養補給をするのユリにとって良い土であればあるほど良い環境と言えるでしょう。 日当たりと同様にユリは品種によって好みの土質が変わります。
砂を含んだ粘土質の土を好むユリ :ロンギフローラム系など
水はけのよい腐植質に富んだ土を好むユリ :オリエンタル系、ヤマユリ、ササユリ、カノコユリなど
水はけのよい砂質の土を好むユリ :アジアティック系、エゾスカシユリ、イワトユリなど
最適な土の作り方
紹介したようにユリは様々な品種とそれぞれ好みの土質がありますが、 基本的に水はけの良い土が好まれます。 赤玉土6~7:腐葉土3~4の割合で混ぜ合わせ、余裕があれば川の砂を混ぜるなどユリそれぞれ過ごせる過ごせる土質に合わせましょう。
また、畑に植える際はなるべく元の土質がユリの好みと合っている場所に植えるようするとなお良いです。土質が酸性の場合は焦土石灰を混ぜ合わせて中和しておきましょう。植え付けの1~2週間前には土をならし、30㎝の高さの土を形成しておきます。
植え付けと育て方のポイント
土の準備が終わったら、次はいよいよ植え付けです。球根はホームセンターなどでも売っていますが、探している品種が無かった場合は、ネット通販でも売っていますので諦めずに調べてみましょう!
植え付け
植え付けは用意しておいた土に球根2~3個分の深さに穴を掘り、そこに球根を入れて土を被せます。この時、 ユリは上根と下根に肥料が必要な植物なので 、元肥として肥料を先に穴に入れてから球根を入れてください。球根は上下がさかさまになっていないか注意しましょう。 下根が出ている場合は、広げてあげてから植えると土中での根の張りが良くなります。 いくつか植える場合は、球根と球根の間を20~30㎝空けるようにしましょう。
肥料と水やりのタイミング
植え付けでも説明したように肥料は上根と下根の両方に必要になるので、下根に肥料がいくように一緒に肥料を入れましょう。その後は、芽の出始めと花の咲き終わりの計2回上株に肥料がいくように追肥をします。
虫に注意
ユリを育てるのに特に注意するべきなのはアブラムシです。発芽する時に発生しやすく、蕾や芽が枯れたり病気にかかってしまうので、見つけたらすぐに防虫剤や殺虫剤で対応しましょう。
花柄摘み
開花が終わり、花びらが落ちる前に摘み取ってしまいます。葉は残しておきましょう。この花柄摘みによって球根に栄養が残り、冬を越えてまた翌年に芽をだしてくれるでしょう。
ユリの開花で気分も華やか
いかがだったでしょうか。ユリの特徴と育て方について説明しました。 品種だけでも100種類はあるユリは、その美しさと華やかさから世界中の人々から愛されています。 自家栽培で育てるユリはさらに愛着も沸くことでしょう。
日本で自生しているユリは15種類ですが、それぞれが美しさや可愛らしさがあり個性を持っています。 その個性を生かすためにもそれぞれに適した環境で育てることをおすすめします。 環境に合わせるための準備が少し手間と思う場合もあるかもしれませんが、その後はあまり手がかからないので、華やかなユリを楽しんでみてはいかがでしょうか。
大塚なつこ
余暇プランナー
緑に囲まれた田舎住み。田舎しか勝たん。休日は畑やったり、ゆっくり家族と過ごすのが好き。旅行は好きなので国内・海外いろいろ行っちゃってます。雪国育ちだけど将来の夢は南国でずっと夏を過ごすこと。難しく考えず、ゆったりとリラックスした気分で読める記事を目指しています。知識をたくさん取り込んで、たくさん発信します。