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ギャンブル依存症の実態は大きく異なっていた?早野慎吾教授がギャンブル依存に関する5年の追跡調査による研究成果を発表


都留文科大学 文学部の早野慎吾教授と、早野教授を筆頭とする各研究チームは、伝統芸能×最先端AI技術の融合プロジェクトと、ギャンブル依存5カ年追跡調査の実態の2つのプロジェクトの研究成果について、都内で記者会見を開催しました。

 

都留文科大・早野慎吾教授が都内でプロジェクトの研究成果を発表

本発表会では、早野教授とそれぞれの研究チームが取り組んだ2つのプロジェクトについて研究成果を発表。

第一部では、伝統芸能と最先端AI技術の融合を目的として、人形浄瑠璃の所作と感情表現をAIに学習させた「AI人形浄瑠璃ロボット」について発表がありました。

この研究では、八王子車人形「西川古柳座」の動きをAIに深層学習させ、八王子の伝統工芸士・澤井伸氏が手がけた衣装をまとわせたロボットを制作。

地域文化と先端技術のコラボレーションを実現しただけでなく、これまでのロボットにはない“さりげない仕草”の表現に成功したと語りました。

人形浄瑠璃の学習に伴って、モーションキャプチャーやAIロボットの制作などで様々な困難があったそうですが、これらを乗り越え無事制作に成功。

今後はこの成果をもとに、より完成度を高めていき、将来的には人間が親しみやすい感情認識・対話機能を備え、家庭用ロボットとして人と自然な関係を築く存在を目指していくと説明しました。

 

国内初の5年追跡調査によるギャンブル依存の実態を発表

続けて行われた第二部では、早野教授を代表とする研究チームが、2020年〜2025年にかけて実施した「ギャンブル依存症」に関する全国長期パネル調査から得られたデータをもとに、カジノを含む現代的なギャンブルも対象とし、日本初の本格的な長期データに基づく研究成果を発表しました。

今回行った調査は、最初のスクリーニングで対象となった4万2880人から、過去1年間にギャンブルを行った1万5000人を対象に、同じ条件の調査を同一人物に対して5年間実施したもの。

早野教授は、

「(過去にギャンブル依存症の方は)536万人いる、という発表がありました。しかし、実はこのデータは誤りで、過去にギャンブル依存になり、既に回復された方も含めた数値だったんです。」

と説明し、実際にギャンブル依存症が疑われる方は、その後の調査で17〜18分の1程度しか確認できなかったと説明。

「これは37度5分以上の体温の方はコロナ感染の疑いがある、と政府が発表しているようなものだ」と語り、“体温だけでコロナ感染者の数字を発表したようなもの”だと痛烈に批判しました。

現在は「ギャンブル統制時代」だと示した早野教授によると、ギャンブル依存症の方は公営ギャンブルやパチンコ・スロットなどで減少傾向にあるものの、昨今問題となった「オンラインカジノ」が依存度を高める作りとなっていることが非常に問題だと指摘。

また、射幸性が問題となっているパチンコなどに関して、より射幸心をあおっている公営ギャンブルや宝くじと比較して広告規制やネガティブキャンペーンをされている点を挙げ、

「私は別にパチンコ業界を擁護している意図は全くありません。パチンコ業界を救う気などもないんです。しかし、自分たちがつまらなくなり、自浄作用として(パチンコが)消えていくのならばそれで良いと思うのですが、非常にネガティブな思想を世の中に流され、それで倒産させるというのはフェアじゃないだろうと思うんです。」

と、パチンコ業界に対する逆風について、データをもとに提言。一人の社会学者としてこの状況を変えたいのだと語りました。

また、早野教授は娯楽の充実度によってギャンブル依存症の方が多い地域に差が出ている点も調査から明らかになったと指摘し、

「これまでは個人の責任に帰結していましたが、ギャンブル依存症は社会構造の問題でもある。実際に調査結果で、カラオケが充実している地域ではギャンブル依存症の方が少ないというデータも出ている。だから個人の問題ではなく、社会構造の病巣としてギャンブル依存症がこんなに出ているのだとアピールしているのです。」

と説明しました。

その後、高知大学・データサイエンスの續木大介さん、アンケート調査などを行う株式会社アスマーク・データ解析の里村雅幸さんらも調査結果を発表。

ギャンブル依存症の方への支援について、本当に必要な方はおよそ6.5%程度だと説明した早野教授。

パチンコ業界の協会の方にはギャンブル依存症の支援などについて対話ができたそうですが、各公営ギャンブルからは門前払い状態なのだと明かし、

「現在公営ギャンブル各団体には門前払い状態なので、そこも何とか巻き込みながら進められたなら、もっと(支援策が)進むのではないかと思っています。」

と展望を語りました。

早野教授は今回の調査結果をもとに2025年7月に書籍として「社会学からみたギャンブル依存症-そんなにパチンコが悪いのか-」を執筆。

ギャンブル依存について詳しく紹介し、ギャンブル依存に関する社会調査の正確な見方や、将来に向けてどのような対策が必要であるかを解説しています。

本調査結果やギャンブル依存症の実態などに興味がある方は、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

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