昨日は汗ばむくらい暖かかったのに、今日はぐっと冷える。秋が深まる頃は、つい体調を崩すことがありますよね。そのような症状は“寒暖差疲労”と呼ばれています。この時期に体調を崩すのは、寒暖差によって自律神経が乱れることが原因なのだそう。この記事では、アーユルヴェーダの視点から自律神経を整え、秋冬を健康的に過ごしていくための知恵をご紹介します。
自律神経の乱れはヴァータドーシャの乱れ
秋が深まり、新緑だった葉が日に日に紅い色に変化していきます。空も青く澄み渡り、美しい景色は撮影にぴったりです。
しかし、この紅葉も、視点を変えると季節の移り変わりによる「寒暖差による反応」や、「水分量の変化の反応」でもあります。また、澄み渡る空も、「空気の乾燥」と捉えることも可能です。
そして、私たち人間も反応しています。例えば自律神経の乱れによる「冷え」や、内分泌の不調による「ホルモンバランスの乱れ」、免疫の低下による「風邪」等が挙げられます。
また、現代の日本人はエアコンの普及などにより、常に快適な状態で暮らしているため、この温度変化の対応や、湿度の変化への対応などが苦手になりつつあるといわれています。日頃から自分自身と対話し、セルフケアをすることが必要です。
秋から冬にかけて現れる不調は、アーユルヴェーダの視点からみると、生命エネルギーヴァータドーシャの「変わりやすさ」や「乾燥」「冷え」などの性質の影響よるものと考えられます。
この時期を健康的に過ごすには、ヴァータドーシャを乱さないようにするのがポイントです。
人間の体の機能で、ヴァータドーシャが深く関わっているのは、精神、神経、運動などとされています。このため、過剰な運動や、精神的ストレスなどはヴァータの乱れが生じる一因に。
次に、秋におすすめするヴァータドーシャをコントールする方法を紹介します。
秋におすすめ ヴァータドーシャと自律神経を整える方法
その1.瞑想(マインドフルネス)
瞑想はどこでも簡単にヴァータドーシャと自律神経のケアができるようになるため、おすすめ対処法です。
ヴァータドーシャが優勢になるといわれる朝方、夕方の時間帯に行うのがいいでしょう。なかでも、夕方の仕事が終わる時間にマインドフルネスタイムを取ることを筆者はおすすめします。
忙しく働いた後は、お腹も空き、慌ただしい気持ちから休息する気持ちへ自然と切り替えることは意外に難しいものです。
切り替えが上手くできないまま次の行動をすると、食べ過ぎたり、お酒を飲み過ぎたり、遅くまで遊びすぎたりなどをしてヴァータドーシャを乱す原因を作ることも。
マインドフルネスな時間の中で自分の状態を観察することによって、気持ちを切り替え、落ち着きを取り戻し、ヴァータドーシャのバランスを整えることができます。
最近は禅寺でマインドフルネスのセミナーを行っているところもあります。紅葉がきれいなお寺でマインドフルネス体験をしてみるのもおすすめです。
その2.セサミオイルでのマッサージ
キュアリングされた温かいセサミオイル(または太白ごま油)は、ヴァータドーシャのバランスを調節してくれる効果があります。
肌は心と関係が深い「触感覚」の器官です。できれば、心身ともにほぐしてくれるセラピストからオイルマッサージを受けましょう。第三者に触れられることによって「心地よさ」を深く体感し、また「疲れていた」ということを理解しやすいからです。
サロンでの施術が難しい場合は自宅でのセルフオイルマッサージもおすすめです。
オイルマッサージ中の「快」とオイルマッサージ前の「不快」の比較する感覚がとても大切。この感覚を通して自分と対話し、「疲れてきたから、そろそろ休もう」や「ストレスが溜まってきているな」などと自分の体調の変化が分かり、TPOにあった行動ができるようになるのです。結果として、ヴァータドーシャのバランスが取れていきます。
疲労や不調の改善だけでなく美容効果も高いオイルマッサージ、皆さんもこの秋からセルフケアに取り入れてみてはいかがでしょうか?
瞑想やオイルマッサージなど、手軽に始めてもらえるセルフケアから“寒暖差疲労”による不調は対処することができます。年末に向けて忙しくなるこの季節も自分自身と対話する時間を確保して、元気に過ごしましょう。