皆さんは、スパイシーな料理はお好きですか?スパイスを使った食事をとると、頭や体がスッキリしたり、パワーがみなぎるような感覚になったりすることがありますよね。これは、スパイスの持つさまざまな力が私たちの体内で作用しているためです。疲れや体のだるさ、なんとなく気分が重いなど、心も体もなにかと不安定になりがちな季節の変わり目の不調対策として、今回はスパイスに注目。その効果や活用法についてご紹介します。
季節の変わり目に多い体調不良
三寒四温という言葉もありますが、春は日々の寒暖差や気圧の変動が大きい季節です。不安定な環境変化に体が順応しようと反応し、自律神経のバランスが乱れたり、免疫細胞の働きが低下したりすることによって体調不良を引き起こしやすくなります。疲れやすい、体がだるく重い、胃腸の働きが悪い、食欲が湧かないなどといった症状が代表的です。これらの不調改善に、なぜスパイスが効果的なのでしょうか。
スパイスの効果とは?
世界には100を越える種類が存在するともいわれ、その多くは古くから薬として生活の中で役立てられてきたスパイス。人によって作用の現れ方も複雑ですが、食欲増進、抗菌・抗酸化作用、抗ストレス作用、消化吸収促進、免疫力向上などの効果があります。その香りや成分により私たちの心身にさまざまな作用をもたらしてくれるというわけですね。
季節の変わり目の不調対策に!5大スパイス
数多く存在するスパイスの中でも、この時期の不調や症状改善におすすめしたい5種のスパイスをピックアップ。その特徴や効果をご紹介します。
1.クミン
カレー粉の主原料で、特有の香りがあります。食欲増進・鎮痛作用があり、胃腸に溜まったガスを排出して腹部の膨張感や腹痛を和らげる効果も。インドの伝承医学アーユルヴェーダでは消化不良に効くスパイスとされています。
2.シナモン
漢方の処方で使用されることも多い香木の一種で、胃腸の働きを整えるほか、熱や炎症を和らげる作用があります。すっきりとした辛みと甘さを伴った香りが特徴で、アーユルヴェーダでは循環器の流れを強化し、冷え性やむくみなどの防止に役立つとされています。料理や飲み物など使い道の広さも魅力の一つ。
3.カルダモン
アーユルヴェーダでは最も安全な消化促進剤とされ、古くから香辛料や芳香性健胃薬として珍重されてきました。甘い香りが特徴で「スパイスの女王」の名を持ちます。気分を落ち着かせる精神安定作用のほか、体内の余分な脂肪を分解する働きも。
4.ナツメグ
世界4大スパイスの一つで、中国伝統医学では腹部の薬として処方されてきました。甘くスパイシーな香りで、食欲増進作用があります。アーユルヴェーダでは小腸の吸収力を高めるのに最良とされ、ミルクに入れて飲むと消化促進や整腸効果があるといわれています。
5.ターメリック
カレーパウダーに不可欠なインドの定番スパイス。ポリフェノールの一種であるクルクミンを含んでおり、抗酸化作用や肝機能改善、アルコール代謝作用、コレステロール低下などの働きがあります。アーユルヴェーダでは天然の抗生物質とされ、気の巡りを良くし、血流障害の改善などに役立つとされています。
おすすめ!スパイスティーレシピ
<スリランカ風スパイスティー>
シナモンとカルダモンをつかった透明で軽めのティー。スッキリとした爽快感と甘い香りが楽しめます。
[材料](1人分)
水180cc
シナモンパウダー 小さじ1.5
カルダモンパウダー 小さじ1
紅茶ティーバッグ 1袋
ハチミツ 小さじ1~2(お好みで調整)
レモンの薄切り1枚(またはレモン汁少々)
生姜 小1かけ(なくてもOK)
[作り方]
鍋に水を入れて沸騰させ、紅茶のティーバッグを入れます。色づいたら静かに取り出し、シナモンとカルダモン、お好みでハチミツを加えてかき混ぜながら弱火で少し煮詰めます。火を止め、仕上げにレモンと生姜を入れたら出来上がり。
<体ぽかぽかスパイスミルクティー>
ミルクの程よい甘さとスパイスの香りが漂う、一息つきたい時におすすめのホットティー。体の内側から温まります。
[材料](1人分)
ミルク250cc
紅茶ティーバッグ 1袋
シナモンパウダー 少々
カルダモンパウダー 少々
クミンパウダー 少々
ナツメグパウダー 少々
ハチミツ大さじ1(お好みで調整)
[作り方]
鍋にミルクを入れて中火にかけ、温まったら紅茶のティーバッグを入れます(沸騰しないよう注意)。ミルクが色づいたらティーバッグを取り出し、スパイスパウダーを入れてかき混ぜ、お好みでハチミツを加えて完成です。