近年、おしゃれな庭として注目を集めているドライガーデンは、水やりや手入れの手間を大幅に減らし、個性的な空間を生み出す、魅力的なガーデニングスタイルです。
お客様の中にも、ドライガーデンに興味はあるけれど、難しそうで手が出せない、どこから手をつければいいか分からないと感じている方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では、ドライガーデンの基本からデザインのポイント、そして実際に作る際の注意点までを簡単にご紹介します。
□ドライガーデンってどんな庭?
ドライガーデンとは、水やりや肥料などの手入れが少なく、乾燥した環境を好む植物を植えるガーデニングスタイルのことです。
ワイルドでスタイリッシュな雰囲気を演出できるため、個性的で手入れのしやすい庭を求める人に最適です。
ここでは、ドライガーデンの特徴について、簡単にご説明します。
1:ドライガーデンとは
ドライガーデンは、その名の通り、乾燥した環境を好む植物を主体に、水やりや肥料などの手入れを最小限に抑え、自然な景観を楽しむガーデニングスタイルです。
水はけの良い土壌と、日当たりの良い場所に適しており、乾燥に強い多肉植物や砂漠地帯に自生する植物などがよく用いられます。
2:ドライガーデンの魅力
・手入れが楽
ドライガーデンは、乾燥に強い植物を主体とするため、水やりや肥料などの手入れがほとんど不要です。
忙しい人や、ガーデニングにあまり時間をかけられない人でも、気軽に楽しめます。
・個性的でおしゃれ
ドライガーデンは、ワイルドでスタイリッシュな雰囲気を演出できます。
多肉植物のユニークなフォルムや、砂漠地帯の植物の力強い姿は、他のガーデニングスタイルとは一線を画す個性的な空間を作り出します。
・環境に優しい
ドライガーデンは、水をあまり必要としないため、環境に優しいガーデニングスタイルといえます。
□ドライガーデンが合う庭の特徴
日当たりが良く、乾燥気味で石が多い庭は、ドライガーデンに最適です。
ドライガーデンに向かない庭でも、日当たりを確保したり、土壌改良をすることで、ドライガーデンに適した環境を作れます。
1:日当たりが良く、乾燥気味で石が多い庭
ドライガーデンは、日当たりの良い、乾燥気味で石が多い庭に適しています。
そのため、ドライガーデンに使われる食ブルには、日光を必要とする植物が多く、日当たりが良くないと植物がうまく育ちません。
南向きで、1日中日が当たる場所を選ぶと、植物が元気に育ちます。
また、ドライガーデンは、乾燥した環境を好む植物を主体とするため、水はけの良い乾燥気味の土壌が適しています。
石は、水はけを良くし、ドライガーデンの雰囲気を出す効果もあります。
庭に石が多い場合は、ドライガーデンに適した環境といえます。
2:ドライガーデンに向かない庭を向いている庭にするコツ
ドライガーデンに向かない庭でも、工夫次第でドライガーデンに適した環境を作れます。
・日当たりが悪い庭の改善策
日当たりが悪い庭では、周囲の木を剪定したり、建物を移動したりするなどの方法で、日照時間を確保しましょう。
・排水が悪い庭の土壌改良
排水が悪い庭では、土壌改良がポイントです。
粘土質の土壌は水はけが悪いため、腐葉土や砂などを混ぜて、水はけを良くする必要があります。
・冬期の雪対策
寒冷地域で冬に雪が積もる場合は、雪が積もった時点で早めに水をかけて溶かしましょう。
また、寒い地域でも育つ植物を選ぶことも大切です。
□ドライガーデンをデザインする時のポイント
ここでは、ドライガーデンをデザインするにあたって、工夫を施したいポイントを3つご紹介します。
1:遠近感
ドライガーデンでは、手前に背の低い植物を植えて、奥には背の高い植物を植えることで、遠近感を演出できます。
セダム・ワイルドタイム・タイム・ラミウムなど、背の低い植物を手前に、アガベ・ユッカ・アロエなど、背の高い植物を、奥に配置しましょう。
また、ドライガーデンでは、植物同士の間隔を空けて植えることが重要です。
密集させると、ゴチャゴチャとした印象になり、植物がうまく育ちません。
植物を植える際に、三角形を意識すると、バランスが取りやすくなります。
2:玄関アプローチ
玄関アプローチに、砂利や石を敷き詰めることで、乾燥帯らしさを演出できます。
たとえば、白やグレーの砂利は、清潔感のあるモダンな雰囲気を、ゴツゴツとした石は、ワイルドな雰囲気を演出できます。
また、玄関アプローチに、多肉植物やユーフォルビアなどを配置すると、アクセントとしても効果的です。
3:石階段
石階段がある場合は、両脇に植物を植えて、高低差を演出できます。
石階段の雰囲気に合わせて、植物を選び、石階段の両脇に、バランスよく植物を配置しましょう。
4:多肉植物の鉢植えやプランター
多肉植物の鉢植えやプランターは、ドライガーデンに彩りを加えるのに最適です。
エケベリア・セダム・ハオルチア・アエオニウムなど、さまざまな種類の多肉植物と、それぞれに合う鉢植えを選び、庭のスペースに合わせて、自由に配置してみましょう。
□ドライガーデンをデザインする前に押さえておきたいポイント
ドライガーデンを作る前に、ライフスタイルやメリット・デメリット、構成要素、作り方の流れなどを理解しておくことが重要。
後悔のないドライガーデン作りを実現するため、しっかりと計画を立てよう。
1:ライフスタイル
ドライガーデンは、手入れが楽なガーデニングスタイルですが、それでも、ある程度の時間は必要です。
お客様自身やご家族の方のライフスタイルに合わせて、無理のない範囲でドライガーデンを作りましょう。
2:メリットとデメリット
もちろん、ドライガーデンにもメリットとデメリットがあります。
メリットとデメリットを理解した上で、ドライガーデンを作るかどうかを決めましょう。
・メリット
ドライガーデンのメリットには、手入れが楽であることや、個性を演出しやすくおしゃれであることが挙げられます。
加えて、環境に優しいガーデンスタイルでもあります。
・デメリット
デメリットとしては、植物の種類が限られてしまうことや、乾燥に強い植物は、他の植物に比べて高価な場合がある点が挙げられます。
また、土壌改良や石の配置など、お庭の状態によっては初期費用がかかってしまう可能性もあります。
3:構成要素
ドライガーデンは、植物・石・砂利、土など、さまざまな要素で構成されます。
そのため、それぞれの要素を理解した上で、庭のデザインを決めなければなりません。
・植物
ユーフォルビア・アガベ・センペルビウム・セダムなどの多肉植物や乾燥に強い植物を選びましょう。
・石や砂利
石には、ゴツゴツとした石から平らな石まで種類が幅広くあります。
種類の多さについては砂利も同じで、白やグレーの砂利、茶色の砂利など、さまざまな砂利があります。
庭の雰囲気に合わせて、お好みで選んでみてください。
・土
ドライガーデンには、水はけの良い土が欠かせません。
事前に水はけの悪い箇所がある場合は、土の質を改善する必要があります。
□まとめ
個性的且つおしゃれなデザインを作り上げられるドライガーデンは、そのお手軽さから多くの方に愛されているガーデンスタイルです。
ご紹介したように、ドライガーデンを作る際には、遠近感・玄関アプローチ・石階段など、さまざまな工夫を取り入れることで、さらに魅力的な空間を作れます。
日当たりの良い、もしくは石が多くある庭をお持ちの方は、ドライガーデンに挑戦してみませんか。
ドライガーデンを作る前に、ライフスタイルやメリット・デメリット、構成要素などを理解しておくことで、後悔のないドライガーデン作りを実現できます。
この記事が、お客様のドライガーデン作りのお役に立てれば幸いです。
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