File no. 105
《The CITIZEN/ザ・シチズン》
精密機器の分野において、日本はトップクラスの実力を誇る製造国であることは皆が知る事実だろう。
ファッション業界においても、精緻な物づくりが認められた世界に名だたるメイド・イン・ジャパンブランドが多数存在する。
今回は創業から100年以上の歴史を誇り、日本を代表する腕時計ブランド《シチズン》の歴史を辿る。
明治時代後半から大正時代に掛けて、日本ではようやく近代時計産業が芽生え始めた。
時計貴金属商の山﨑龜吉は “国産の時計をつくりたい”という決意を胸に、1918年(大正7年)に《シチズン》の前身である『尚工舎時計研究所』を設立した。
欧米製工作機械を輸入し、部品用工作機械は自社で製造。
さらに、優れた技術者育成のために時計学校を開設するなど、精密な製品づくりに苦戦しながらも、1924年に悲願の懐中時計第一号「CITIZEN(シチズン)」の製作に成功。
1930年には第一号の懐中時計の名を冠した《CITIZEN(シチズン時計株式会社)》を創立した。
その後の厳しい世相にあっても国産時計製造の理想を追求し続けた同社は、腕時計の貿易自由化に伴い、1960年代に海外輸出を本格化していく。
1973年にブランド初のクオーツ式腕時計「クリストロン」、1976年になると世界初のアナログ式太陽電池ウォッチ「クリストロン ソーラーセル」を発売。
この画期的な太陽電池システムこそが、同社の基幹技術である”エコ・ドライブ”の原点である。
1993年には世界初の多極受信型・アナログ多針式タイプ電波時計を発表。
これは日・独・英の標準電波に対応する画期的な仕組みと斬新なデザインで注目を集めた。
そして1995年、世界に先駆けて技術革新を繰り返してきた同社が腕時計の本質を追求し、その技術を結集してつくり上げるシチズンブランドの最高峰として《ザ・シチズン》が誕生。
“精度”、”使いやすさ”、”長く愛されるホスピタリティ”を備えた《ザ・シチズン》は、初代機から時計業界初の10年間無償保証をはじめとする高いスペックを誇り、人生に寄り添うに相応しい腕時計として話題に。
写真のモデルは2020年、記念すべき25周年の節目を迎えた《ザ・シチズン》の最新作。設立当初から変わることなく、世界に誇るメイド・イン・ジャパンの旗手として最前線で革新を続ける《シチズン》最高峰の腕時計は、一生涯の相棒としてぜひとも手にしてみたい。
また《シチズン》では、その他にも多彩な腕時計が展開中。
あなたのお気に入りがきっと見つかるはずだ。