膵臓の働きには、インスリン合成と血糖値監視という重要な役目があります。この膵臓の働きがなければ、人間はすぐに糖尿病になってしまうのです。膵臓の働きの重要性がわかるのが膵炎。急性膵炎や慢性膵炎が原因で、糖尿病になってしまうことがあるのです。
急性膵炎の原因の多くは大量の飲酒
膵臓がんで膵臓を摘出すると、患者はそのままでは激しい糖尿病になってしまいます。このため膵臓を摘出したあとは、インスリンを外から投与することになるのです。
そして膵臓が摘出されなくても、膵臓に炎症がおこると糖尿病になってしまうことがあります。膵炎が原因でおこる糖尿病のメカニズムを見ていきましょう。
急性膵炎の多くは、大量の飲酒が原因でおこります。急性膵炎は膵臓の中の膵液を作る細胞で炎症がおこるもの。細胞が破壊され、その中に含まれる消化酵素が膵臓から溢れるため、全身も重篤な状態になります。
膵炎が原因で糖尿病となってしまう
このため、急性膵炎の症状は激しい腹痛が特徴です。とはいえ絶食と安静と薬剤によって、大部分の急性膵炎は治る病気です。しかし、急性膵炎を繰り返しおこすことで、慢性の炎症状態になることがあります。それが慢性膵炎です。
慢性膵炎になると、膵炎の炎症は膵液を作る細胞にとどまりません。その周囲にある、血糖値を監視してインスリンを合成するβ細胞にまで及んでしまうのです。
こうしてβ細胞が破壊されてしまうと、インスリンの合成ができずに分泌量が減少してしまいます。こうして、膵炎が原因で糖尿病となってしまうのでした。
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