スポーツドリンクやゼリー飲料の成分表示に書かれているブドウ糖や果糖。じつは同じ糖でもその働きは微妙に違います。とくに運動中などすぐにエネルギーが必要なときにはスポーツドリンクの原材料を確認。運動中に飲むスポーツドリンクは「ぶどう糖果糖液糖」と書かれたものを選ぶ必要があるのです。
ブドウ糖や果糖は吸収されやすい
ブドウ糖や果糖はどちらも単糖類です。ご飯やパンなどはデンプンという多糖類ですが、これらは食べて消化・分解されて単糖類になってから吸収されるものです。
つまり、単糖類であるブドウ糖や果糖は体内に吸収されやすい形になっているということ。摂取してからすぐにエネルギーとして利用できるスポーツドリンクやゼリー飲料などに用いられるのです。
ただし、ブドウ糖と果糖とでは体内での働きが違います。そして、運動中にすぐにエネルギーが必要なときに大切なのは、ブドウ糖なのです。
ブドウ糖や果糖の働きの違いとは
血液内のブドウ糖濃度は血糖値と呼ばれ、糖尿病の診断基準として利用されています。ブドウ糖は私たちの体にとって、体を動かすためのエネルギー源でもあり、生きていく上では欠かせない糖です。
また、ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源として利用されます。脳は常に働き続けますので、いつも脳のエネルギーが不足しないようにブドウ糖が脳に運ばれているのです。
一方の果糖は、糖の中でも甘味がとても強いため、甘味料として利用されることが多いのが特徴。果糖はブドウ糖と同様に小腸で吸収されますが、果糖がブドウ糖に変換される割合は非常に少量。このため、果糖を吸収しても血糖値はあまり上がらないといわれています。
スポーツドリンクはぶどう糖果糖液糖
そして、スポーツドリンクに含まれているブドウ糖と果糖の割合がわかるのが原材料名です。そこには「ぶどう糖果糖液糖」「果糖ぶどう糖液糖」「高果糖液糖」などさまざまな種類があります。
「ぶどう糖果糖液糖」という表示は果糖の含有率が50%未満。ブドウ糖よりも果糖のほうが少ないということです。「果糖ぶどう糖液糖」は果糖の含有率が50%以上90%未満のもの。「高果糖液糖」は果糖が90%以上です。
ちょっとややこしいですが、要するに「果糖」の文字が入る位置が大切。果糖のほうが多ければ一番初めに来るのです。そして、運動中に選ぶべきはブドウ糖のほうが多い「ぶどう糖果糖液糖」と表示されたスポーツドリンクということです。
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