「ノーペイン・ノーゲイン」という言葉があるように「筋肉痛なくして筋肥大なし」と考える人は多いはず。しかし、実際のところは筋肉痛と筋トレの効果はイコールではありません。筋肉痛の2通りの発生メカニズムと、それぞれの筋トレ効果について詳しく見ていきましょう。
筋トレで筋肉痛がおこるメカニズム
筋トレ初心者は負荷の低いトレーニングでも筋肉痛になってしまいますが、ふだんから筋トレをするようになると筋肉痛はあまりおこらなくなります。それでも、筋肉痛がないからといって筋トレの効果がないわけではないからです。
筋トレで筋肉痛がおこるメカニズムは2通りあります。1つは、筋肉に刺激を入れることで代謝物が増えて、発痛物質が分泌されるというもの。もともと骨格筋の中には乳酸や一酸化窒素などが存在します。
運動刺激によって筋肉からこれらが漏れ出したのが代謝物です。代謝物が増えた状態は体にとっては危機的状況。その危機を知らせるために発痛物質が分泌。筋肉痛がおこるのです。
筋肉痛と筋トレ効果はイコールでない
筋トレで筋肉痛がおこるもう1つのメカニズムが、筋肉に炎症がおこることで抗炎症性が分泌されて痛みを発生させるというものです。これは実際に、筋肉が傷ついた状態。これが修復されると、いわゆる筋肥大がおこります。
ここで、乳酸などの代謝物が増加するだけでも筋肉痛はおこるということ。この場合、筋トレ効果である筋肥大は期待できません。一方、筋肉痛が全くなくても筋肉に損傷がおこっているケースもあります。この場合は、筋トレ効果が期待できます。
筋肉痛にはまだまだ発生メカニズムに謎の部分があるものの、筋肉痛と筋トレ効果はイコールではないことは確か。筋肉痛がおきないからと筋トレをやり過ぎてしまうと、逆効果となってしまうこともあるので注意が必要です。
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