昔から部活などの筋トレといえば腹筋運動というのが相場。最近ではスポーツパフォーマンスの向上に体幹トレーニングの重要性が認識されつつあることもあり、腹筋の筋トレはますます注目されているといえます。ただし、腹筋の筋トレばかりしている猫背になってしまう危険性があるのです。
腹筋の筋トレは体幹トレではない
体幹トレーニングは腹筋の筋トレとイコールではありません。ましてや、腹筋の筋トレばかりしてもスポーツパフォーマンスを上げるのはほぼ不可能。逆に、どんどん猫背になってしまう可能性があります。
一般的な腹筋の筋トレは、メニューでいえばシットアップ。仰向けになってひざを曲げた状態から、上体を引き上げるトレーニングです。このシットアップで鍛えられる筋肉は腹直筋になります。
腹直筋とは、お腹の前面を肋骨下部から恥骨まで、タテに2本走っている長い筋肉です。2本の腹直筋がくっ付いて、腹筋のタテ線を形成。さらに腹直筋は腱画で区切られていて、上部のみや下部のみで力を発揮できるようになっています。
腹筋の筋トレで徐々に猫背になる
ここで理科の骨格標本を思い出してください。骨格標本を横から見ると、腹部ににある骨格は胴体後面の背骨しかありません。じつは腹横筋や腹斜筋といったインナーマッスルがこの空白部分を支えています。
そして、腹直筋は胴体前面の肋骨と骨盤を結ぶ筋肉。腹筋の筋トレで腹直筋を鍛えるほど肋骨と骨盤はどんどん近づくことになります。上半身に前かがみになる力が働くため、徐々に猫背になってしまうというわけです。
もちろん、腹筋の筋トレ自体が悪いわけではありません。腹筋の筋トレで腹直筋だけを鍛えるのではなく、合わせて腹横筋などのインナーマッスルや、背筋を鍛えることで腹部全体をバランスよく鍛えるようにしましょう。
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