大腰筋の筋トレが注目を集めるようになったのはここ数年の話。黒人の短距離走選手の大腰筋が、白人選手よりもはるかに大きいという研究報告がきっかけとなりました。その後、高齢者の歩行速度が大腰筋が太いほど速いという研究報告により、さらに注目が集まったというわけです。
大腰筋の筋トレに取り組むアスリート
大腰筋は、下腹の深部にある代表的なインナーマッスルの1つ。大腰筋の働きは、太ももに対して腰椎と骨盤を前傾させるものです。姿勢を維持する働きだけでなく、腰椎と骨盤に対して太ももを前に振り出す働きがあります。
走る動作の主要素は地面を蹴って推進力を得ることですが、近年は大腰筋による足を振り戻す動作もじつは重要であることがわかってきました。それが黒人の短距離走選手のスピードは、大腰筋の大きさに由来するのです。
そして、走る動作というのはあらゆるスポーツの基本要素になります。このため、多くのアスリートが大腰筋の筋トレに取り組み始めたというわけです。それでは、大腰筋の筋トレはどのように行えばよいのでしょう?
大腰筋の筋トレにランジの効果が高い
大腰筋の筋トレには、股関節の屈曲運動であるシットアップや太ももを上げる運動などがあります。ちなみにシットアップは、いわゆる腹筋運動のメニューです。ただし、どちらも大きな負荷をかけて筋トレが難しいという問題があります。
そこで、大腰筋に大きな負荷をかけて筋トレできるメニューとして「ランジ」がおすすめ。ランジは踏み込んだ前足の大殿筋、ハムストリングスの筋トレという認識が強い筋トレメニューです。
じつはランジは、後ろ足の大腰筋の筋トレ効果も高いメニュー。後ろ足でのひきつけを意識すると、大腰筋に大きな負荷をかけた筋トレになります。さらに負荷をかける場合は、両手にダンベルなどの重りを持つとよいでしょう。
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