いま内臓脂肪でも皮下脂肪でもない、第3の脂肪がいま注目されています。それが場違いな場所についてしまう「異所性脂肪」です。本来は脂肪が溜まってはいけない場所にくっ付く脂肪です。しかも、異所性脂肪はさまざまな病気を引き起こす可能性があるのです。
内臓脂肪でも皮下脂肪でもない脂肪
食べ過ぎるときになるのが肥満。太ってくると脂肪が溜まってきます。一般的に脂肪といえば、皮下脂肪と内臓脂肪の2種類が有名です。
皮下脂肪とは皮膚のすぐ下に溜まる脂肪のことで「第1の脂肪」と呼ばれています。一方「第2の脂肪」と呼ばれているのが、おもに腸のまわりに溜まる内臓脂肪です。
そして、近年の最新の研究によって、これらの脂肪とは別に「第3の脂肪」と呼ばれる新たな脂肪が見つかりました。それが“場違い脂肪”とも呼ばれる異所性脂肪です。異所性脂肪は私たちの気が付かないあいだに、体のあちこちに溜まっていき、なかなか痩せられない原因となってしまいます。
内臓や皮下は脂肪が溜まってよい場所
そもそも異所性脂肪は、普通の脂肪と何が違うのでしょうか? 皮下脂肪や内臓脂肪は本来、脂肪が溜まってよい場所。しかし異所性脂肪は本来、脂肪が溜まってはいけない場所に溜まる脂肪です。このため、場違い脂肪とも呼ばれます。
そして、本来溜まってはいけない場所に脂肪が溜まると、それぞれの臓器の働きがうまく行かなくなるのです。これによって、異所性脂肪はさまざまな病気を引き起こす可能性があります。
異所性脂肪が付きやすいのが肝臓や膵臓。いわゆる脂肪肝はその典型です。このほか、太ももや腕の筋肉が異所性脂肪に置き換わるケースもあります。そして、もっとも恐ろしいのが心臓のまわりの心臓周囲脂肪。心筋梗塞や狭心症を引き起こす可能性があるのです。