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無酸素運動のはずの相撲で関取が息切れする理由


ぶつかり合いが魅力の相撲は無酸素運動。瞬発的に大きな力を出す速筋が使われます。速筋のエネルギー源は筋肉の中にある筋グリコーゲン。遅筋のように酸素を必要としません。ところが、取り組みを終えた関取はゼーゼーと息切れしています。無酸素運動のはずの相撲でなぜ息切れするのでしょう。


無酸素運動のはずの相撲で関取が息切れする理由


無酸素運動で大量に乳酸が発生


相撲が無酸素運動にもかかわらず、関取が取り組み後にゼーゼーと息切れするのには理由があります。無酸素運動は乳酸が大量に発生します。その乳酸を処理するために酸素が必要になるのです。


関取がゼーゼーと息切れしているのは相撲取りにスタミナがないわけではありません。短い時間に爆発的な力を使う無酸素運動は、筋肉の中に乳酸が大量に発生。この乳酸を処理するために必要なのが酸素。だから急いで息をしているのです。


相撲の稽古もほとんどが無酸素運動。相撲の稽古で大汗をかいて息を切らしても、脂肪は燃焼しないため体脂肪率はさほど下がりません。遅筋を使う有酸素運動でなければ脂肪は燃焼しないからです。


無酸素運動の酸素負債を返す必要


有酸素運動は酸素と脂肪をエネルギー源としています。このため、マラソンランナーは息切れをおこしません。乳酸の産出が少なく、慌てて大量の酸素を取り込まなくてよいからです。


無酸素運動によって生じた酸素不足を、専門用語では酸素負債といいます。いわば酸素の借金です。この借金は同額を返す必要があります。返し方が足りないと、乳酸が残ったままになって疲労が抜けません。


酸素負債を返すと、人間の体は息切れが収まるようにできています。相撲とマラソンでは、試合直後の酸素負債は相撲のほうが大きいということ。これが無酸素運動のはずの相撲で関取が息切れする理由です。


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