大阪・関西万博のアゼルバイジャンパビリオンで開催された、観光局主催のセミナーおよびワインテイスティングに参加しました。アゼルバイジャンは、ヨーロッパとアジアの間に位置し、ワイン発祥の地のひとつです。観光情報や文化の説明、アゼルバイジャンのソムリエによるワインの解説や6種のワインのテイスティングもおこなわれました。親日国と知られるアゼルバイジャンの魅力をご紹介します。
美しすぎる幾何学模様のパビリオン
白を基調としたなめらかな曲線と幾何学模様のファサードが美しいアゼルバイジャンパビリオンは、万博会場でも特に人気のスポットのひとつ。
7つの大きなアーチには、多様な文化や自然、歴史といったアゼルバイジャンの魅力を未来へとつなぐ意味が込められていて、建築全体がひとつのメッセージとなっています。
夜の幻想的で美しいライトアップも必見です。
アゼルバイジャンの叙情美を映す〈七王妃〉の像
入口では、詩人ニザーミー・ガンジャヴィの叙事詩『七王妃』に登場する7人の王妃の像が回転しながら来場者を迎えてくれます。
それぞれが曜日や惑星、色、文化圏を象徴していて、静かに佇むその姿からは、アゼルバイジャンが受け継ぐ物語性と美意識が感じられます。
アゼルバイジャンの魅力
アゼルバイジャンから来日された観光局CEOのご挨拶に続き、観光局の方々より、叙事詩『七王妃』をもとにした「七つの美」の演出背景や、国の伝統工芸であるカーペット織り、艶やかなシルクの魅力、そして歴史あるワイン造りについての紹介がありました。
一つひとつの説明からは、文化・芸術・自然に物語性を大切にするアゼルバイジャンの価値観が伝わってきます。
世界遺産に息づくアゼルバイジャンの美
アゼルバイジャン共和国は、黒海とカスピ海に挟まれた地域に位置し、治安もよく親日的な国として知られています。
ユネスコに登録されている世界遺産が5ケ所あり、特に圧倒的な美しさを誇るのが「シェキの歴史地区とハーンの宮殿」です。
18世紀に建てられたこの宮殿は、精巧なフレスコ画やステンドグラスに彩られ、アゼルバイジャンの伝統的な建築様式に、ペルシャやオスマン帝国の影響が融合した独特のデザインが魅力です。
現地ワイナリーによる6種のワインテイスティング
アゼルバイジャンのソムリエによる解説とともに、現地ワイナリー「MEYSƏRİ(メイサリ)」によるワインテイスティングが行われました。
6種を左から順にご紹介します。
【赤ワイン】
1. MEYSƏRİ MAKHMARI(マフマリ)
カシスやブラックベリー、スミレ、ナツメヤシなどのアロマが広がる、オーガニックの赤ワイン。
2. MEYSƏRİ MARJAN(マルジャン)
ミントやタイム、黒スモモのような香りが感じられる、バランスの取れた味わい。
3. MEYSƏRİ İNNABİ(イナビ)
ローズマリーやザクロを思わせる香りと、しっかりとした深みのある赤ワイン。
【ロゼワイン】
4. MEYSƏRİ SANAM(サナム)
ストロベリーやネクタリンの香りが広がり、軽やかで華やかな印象のロゼ。
【白ワイン】
5. MEYSƏRİ BÜLLURİ(ブルリ)
ライムやレモンのアロマが爽やかで、すっきりとした飲み口の白ワイン。
6. MEYSƏRİ SƏDƏF(サダフ)
白桃やピーチの香りがやわらかく広がる、まろやかで上品な味わいの一本。
MEYSƏRİ MAKHMARI(マフマリ)
プレミアムの赤ワインは、カシスやブラックベリー、スミレ、ナツメヤシのような香りが広がり、口当たりが良く、深みがありながら優しい味わいです。
MEYSƏRİ SANAM(サナム)
華やかなロゼワイン。ストロベリーやネクタリンの香りがふわりと香り、軽やかな飲み心地。私のお気に入りの1杯です。
ワインとともに
チーズやソーセージ、オリーブなどが提供され、ワインの美味しさを引き立てました。
プロフおにぎり (AZE×JPN)
アゼルバイジャンの炊き込みご飯「プロフ」を、日本の“おにぎり”という形にアレンジ。スパイスの香りが広がる、今までにない美味しさです。「AZE×JPN 」に、アゼルバイジャンと日本の友好が感じられます。
パビリオンの3階にあるカフェ
パビリオンの3階にあるカフェでは、プロフやケーキなども提供されています。私はアールグレイブラウニーをいただきました。紅茶の香りがふわりと広がり、しっとりとした口当たり。
チョコレートとの層が絶妙で、上品な余韻が残ります。パビリオン見学の合間にぜひお立ち寄りください。
アゼルバイジャンの国旗
アゼルバイジャンの国旗は、青・赤・緑の三色に、白い三日月と八芒星が描かれたデザイン。それぞれ、トルコ系民族の起源、近代化、イスラム文化を象徴しています。
アゼルバイジャンのシルク
アゼルバイジャンのシルクは、その美しい光沢と繊細な質感が特徴です。織りや染色には職人の技術が凝縮され、シルクロードを通じて培われた歴史と伝統を感じます。
展示には、ケレガイの布に模様を施す木製スタンプと、染色前のシルクの繭も紹介され、シルクが形になるまでの工程を垣間見ることができました。
文化遺産の展示
文化遺産の展示では、アゼルバイジャンの伝統楽器や工芸品が紹介されていました。細部にまで施された職人の技からは、長い歴史と豊かな文化を感じ取ることができます。
文化的多様性を伝える写真展示
アゼルバイジャンの「文化的多様性」を紹介する展示では、さまざまな地域・民族の人々の写真が並び、それぞれの伝統的な装いや表情から、この国に息づく多彩な文化と背景が伝わってきます。多様性と包容力を象徴する印象的なコーナーです。
お土産コーナーにはアゼルバイジャン製の素敵な商品が並んでいます。
アゼルバイジャンパビリオンの一角には、伝統工芸や紅茶、スカーフなどを扱うお土産コーナーも設けられています。アゼルバイジャンの風情を感じる商品が多くあるのであるので、ぜひ見学の記念にお立ち寄りください。
パビリオン・カフェともに予約不要!
アゼルバイジャンパビリオンの3階のカフェでは、プロフやアゼルバイジャンのワインも楽しめます。
予約不要で立ち寄ることができ、文化や食を気軽に体感できます。
いつかこの文化や風景に、実際に触れてみたいと思いました。
■ 大阪・関西万博 アゼルバイジャンパビリオン
開催期間:2025年4月13日~10月13日(184日間)
会場全体の開場時間:9:00 〜 22:00
パビリオンの営業時間:10:00 〜 21:00(終日の入場締切は要確認)
取材協力: アゼルバイジャン観光局