暑い季節がやってきました。山だ! 海だ! レジャーの楽しい季節ですが、同時に悩まされるようになるのは家庭内の悪臭。特に生ゴミから出るにおいは耐え難いものになってしまうこともありますよね。
プロの厨房ではそんなことはないのですか? とのご質問を頂戴しましたが、正直、私が勤務していた厨房はいずれも、毎日生ゴミを処理していましたから、真夏でも悪臭で悩まされたことはありませんでした。
■街中にも存在する、食べ物の悪臭
一方で、街中を歩いてみると、飲食店の多い地域は確かに「食べ物のいいにおい」だけでなく、悪臭といわれても仕方ないにおいを発している場所も、ないとは言い切れない気がします。
実際、インターネットを検索してみると、なるほどプロの厨房でも自治体のごみ収集日に合わせて生ゴミを廃棄している一般的な飲食店などでは、こまめに捨てることができず悪臭に悩まされてしまうケースも多いようです。
【データでみる臭気対策 飲食業の悪臭苦情ランキング】
1位:焼肉・ホルモン店 12.0%
2位:惣菜・弁当屋(スーパー含む) 10.7%
3位:ラーメン店 10.3%
4位:焼き鳥店 7.7%
5位:居酒屋 7.0%
6位:中華料理 6.7%
(平成22年度地方公共団体アンケート調査結果より/飲食業の方のための『臭気対策マニュアル』)
これを読んでいると、焼肉やラーメンなどのおいしそうと感じる“であろう”においも、近隣住人にとっては悪臭になるケースもあるようです。なるほど、確かに自分が食べたくない時はとくに、悪臭に感じられてしまうケースもあることに改めて気づかされます。
■家庭で実践できる「におい」対策
話を本筋に戻して、悪臭対策を考えてみます。
悪臭を完全に断つためには「生ゴミを出さない」か「生ゴミが出たら即捨てる」ことくらいしか方法はありません。しかし、どちらも一般家庭にとっては現実的ではないため、「においを出さない工夫」をする必要があります。
キッチンでにおいを出さない工夫にはいくつかの方法があります。
1.生ゴミの水分をしっかり取り除く
生ゴミを新聞紙に包んで新聞紙ににおいを吸着させる方法もあります。新聞紙に包む際、クエン酸か重曹の粉末を一緒に包み込むと、さらに悪臭対策になります。
2.魚や肉のにおいは「酸」を絡ませて中和
重曹やクエン酸、酢などの「酸」を絡ませると効果的です。粉のまま擦り込むほか、スプレーでもOKです。手についたにおいを取るには、クエン酸や重曹を石鹸のように使って手洗いすると効果的。同じように、衣類についたにおいはクエン酸や重曹、酢などを入れて洗濯すると消すことができます。
3.アルコールや漂白剤で入れ物を消毒する
アルコールや漂白剤が持つ殺菌効果で、においの元であるバクテリアやカビを殺菌・除去することでにおいを抑えることができます。清潔にもなるのでオススメの方法です。
4.銅製のシンクや三角コーナーを使用
若干、値段は高くなりますが、銅には殺菌作用があります。錆びないように気をつけながら使用してください。
5.炭や活性炭を使う
炭や活性炭の消臭効果は抜群です。真っ黒な見た目がインテリアの邪魔になってしまうこともありますが、できるだけ目立たない位置に置くなど工夫してみるとよいでしょう。
6.換気をしっかり行う
まったくにおいがでないわけではないので、少しでも嫌なにおいを薄めるために換気を行いましょう。空気清浄機を使うのも一案です。
7.掃除をしましょう
生ゴミに限らず、排水溝やガス台の汚れなどが発するにおいもあります。こまめに掃除をしましょう。
今回は、キッチンのにおいを減らす方法をお話しましたが、この7つの方法を応用すれば、ペットのにおいも含めて、家じゅうのどの部屋のにおい対策も可能になります。暑い夏を嫌なにおいのない気持ちのいい部屋で過ごせるよう、今から対策していきましょう。