ついに時代が「平成」から「令和」に変わり、みなさんの周りでも「まだ慣れないわ……」「別に平成のままでよかったんじゃない?」「いや、令和って響きメチャクチャいいじゃん!」などと、しばらくは“元号トーク”が繰り広げられることでしょう。
そこで今回は、ちょっとした会話のなかで披露すれば「こいつ、デキる!」と一目を置かれる(かもしれない)、元号にまつわるトリビアを3つ紹介していきたいと思います。
■奈良時代の元号はあの動物推し
飛鳥時代の「大化」から数え、248番目の元号となった令和。「明治」以降は“一世一元の制”にのっとっており、そう頻繁に変わることはないわけですが、昔はもっとカジュアルに(?)改元していたようです。
例えば奈良時代は、100年足らずの期間に12もの元号が存在します。そのなかからピックアップしてみると「霊亀(れいき)」、「神亀(じんき)」、「宝亀(ほうき)」……と、やたら“亀”が出てくるんですよ。
なぜここまで“神推し”ならぬ“亀推し”状態になっているのかというと、当時は珍しい色や模様の亀が天皇に献上されるたびに改元していたからなんだとか(笑)。“鶴は千年、亀は万年”ということわざがあるように、亀は縁起物とされていたんでしょう。なんとも平和な時代……?
■「明治」は天皇がくじ引きで決めた!?
令和を決めた際は発表前に漏れてしまわないよう、電波をシャットアウトするほどの厳重体制のなかで会議を行ったと聞きます。
その一方、かつて「明治」に改元されたときは天皇によるくじ引きで選ばれたというエピソードがあり、「カジュアルの極みじゃねーか」とツッコミを入れたくなるでしょう(笑)。
とはいえ、そこは現代人の感覚では捉えにくいもの。おみくじは漢字で「御神籤」と書くとおり、本来は“神”の意思を占うための儀式だったと言われています。「ラッキー、大吉だ!」「大凶かよ、最悪……」なんて一喜一憂するのとは、ワケが違うんですね。
ちなみに明治は、室町時代と江戸時代を合わせ、それまでに10回も元号の候補に挙がっていたとか。もしかしたら天皇は「さすがにそろそろ自分を選んでくれ」という、明治の怨念めいたものを感じ取ったのかもしれません(笑)。
■さかのぼれば、漢字2文字以上の元号も…
元号は漢字2文字――もはや暗黙の了解になっていますが、このルールは1979年に定められた“元号選定手続”のなかにも盛り込まれています。
ですが、過去を振り返るとイレギュラーな例も出てきてしまうのが面白いところで、奈良時代には「天平感宝(てんぴょうかんぽう)」、「天平勝宝(てんぴょうしょうほう)」、「天平宝字(てんぴょうほうじ)」、「天平神護てんぴょうじんご)」、「神護景雲(じんごけいうん)」と、漢字4文字の元号が5連続! もう書きにくいったらありゃしません(笑)。
ちなみに天平感宝の前の元号は「天平(てんぴょう)」で、実をいうとこれは、先ほど紹介した“亀推し”シリーズの仲間なのです。甲羅に“天王貴平知百年”という文字がある亀を天皇に献上したのが由来だったということで、亀の影響力、改めて恐るべし……。