夫が「家族のために」と張り切る週末、妻にとっては頭が痛い。夫ががんばっているのに水を差したくはないが、何も考えずにやりたい放題の夫に腹も立つという。
■贅沢しすぎ
夫の料理はお金がかかりすぎると嘆くのは、ユミさん(43歳)。
「うちの夫は後片づけまできれいにやってくれるので、そこはありがたいんですが、とにかくお金がかかりすぎるんです」
ある日はローストビーフを作ると、デパートまで肉を仕入れにいき、牛ももブロックを8000円で買ってきたとか。
「信じられません。スーパーで買えば半値以下ですよ。だいたい一食でそんなにかける理由がわからない。それにわけのわからないスパイスもいっぱい買ってきて。そういうのって結局余るからもったいないんですよね」
週末の料理をやってくれるのはうれしいが、日頃節約している妻の気持ちをまったく考えないから、結局、夫にはやらせたくないとユミさんは言う。
「子どもたちはパパがおいしいものを作ってくれるから喜ぶけれど。夫にいくら言ってもわかってくれない。先日、ついに家計簿を見せたら、『もうちょっと貯金を減らしてもいいんじゃない?』だって。子どもたちのための貯金ですよ。減らすわけにはいかない」
夫って、どこか現実離れしているんですよね、と彼女はため息をついた。
■失敗ばかりで素材がもったいない
妙に趣味に走った料理をしたがる夫も問題だ。
「夫はラーメン好きが高じて、自分でも出汁から作るようになりました。鶏ガラとか野菜とかいっぱい仕入れてきて、一晩かけて出汁をとって……。ところがあるとき、全部捨ててしまったんです。『味が決まらない』って。あなたはプロじゃないんだから。なんてもったいないことをするのと私は激怒」
ルミさん(40歳)は苦笑した。素材はもちろん、水もガス代も無料ではないのだ。「もったいない」という感覚が夫にはないのかと腹が立ってたまらなかったという。
「自分では玄人はだしだと自慢していますが、私からみればラーメンはやっぱり外で食べたほうがおいしい。しかも素材にとんでもないお金をかけて家で作るようなものじゃないでしょ」
妻たちは必死に家計を考えている。それを一瞬にして崩す夫のやり方に怒りを隠せないのだ。しかも夫は、「自分がやることはいいことだ」と押しつけてくるからますますムカつくというのが妻の論理。
「そんなに自分の趣味にお金を使いたいなら、それだけ稼いで来いっていいたいですよね」
妻の最後の言い分はそこなのだ。夫たちに申し開きはできそうにない。