最近「オリラジ中田」こと、お笑いコンビ『オリエンタルラジオ』の中田敦彦(36)が、ギョーカイ内で「干されてる」だとか「干されていない」だとかが、一部ネット上で話題となっているが、ネット版のデイリースポーツにあった、タレントの内山信二(37)が『バラいろダンディ』(TOKYO MX)出演の際に語った“この案件に関する持論”が、なかなか秀逸だったので、とりあえず今日はそのいくつかを紹介してみたい。
「中田さん自身が干されている印象は(僕には)ない。レギュラーも結構あるし、人気がガッと行って、落ちてまた戻って来た。レギュラーが増えて卒業する番組もあるじゃないですか」(と、数多くのレギュラーを持てば、卒業する番組も出てくるのは自然の流れと主張)
「干されたって、誰かが『干そう』としてるのかなって思う。松本さんが怒っているようにも思えない」(と、かつて中田が松本人志を公の場で批判したことの意趣返し説を否定)
「人気者って大変だな。31年間地道にやっている方がいい。ちょっと出なくても干されたとか思われない。出すぎると、少し出ないと干されたという印象があるから」(と、中田に同情)
中田が実際、本当に誰か特定の権力者による力が働いて干されているのか?──そこらへんの真相は私なんぞにわかるはずもないのだが、外野・内部を問わず、多くの人たちはこの手の「干す・干される」といった“陰謀論”が大好物であることだけは紛れもない事実である。ただ単に「使いづらいから」「発言するごとにすぐ炎上するから」……みたいな理由だけで番組を降板させられたと、ぼんやり納得するより、裏に潜む愛憎の感情が絡み合った“闇”をあれこれと推測するほうが逆に明確で、傍観者側はスッキリするんだろう。
そして、芸能界にかぎらず一般社会でも、周囲から「干された」とレッテルを貼られることほど辛いものはない。なぜなら「干される」という評価は、内山の指摘どおり「あまりに見方が短期的かつ一面的」すぎて、「たまたま脚光を浴びやすい仕事は減ったけれど、仕事量や収入自体はほとんど変わっていない」状況でも総じて下されやすかったりするからだ。「そんなの無視してりゃいいじゃん」と言われてしまえばそれまでだが、こういった悪意に満ちた声に完璧なかたちで耳を塞ぐのはけっこうにむずかしい。なにか宗教的な悟りでも開かないかぎり、至難のワザかと思われる。
ここで、最後の内山発言が我々凡夫の胸を打つ。
「(僕のように?)31年間地道にやっている方がいい」
そう。地道に「そこそこ」の立場をキープし続けて生きるほうが「出る杭」としても打たれにくい、イコール「干された」なんてインネンもつけられない。10歳のころは子役として月収3000万円を稼いでいたとも噂される内山は、14歳で『あっぱれさんま大先生』を卒業すると同時に仕事が激減したという。このような、まだ10代の多感な時期に味わった途轍もなく巨大なトラウマが、内山独特の珍妙な“老成感”を育んだのではなかろうか。
ちなみに、内山が芸能界デビューしたきっかけは「当時あべ静江の大ファンだった父親が、息子を子役にしてしまえば会えるかも」と企んでのことらしい。面白い!