日帰り登山の一歩先、そろそろ山小屋泊デビューをしたい!
けれど、どこの山、どこの山小屋が良いか迷ってしまう…。そんな方は必見!東京にある雲取山は、初の山小屋泊にぴったりなんです。
ではさっそく、雲取山1泊登山の準備から登山コースまでのすべてをご紹介します。
雲取山とは
場所
雲取山は、 東京都・埼玉県・山梨県の境界 に位置しており、 「秩父多摩甲斐国立公園」 に含まれています。
https://www.env.go.jp/park/chichibu/
東京の最高峰・日本百名山
標高は 2,017m で 東京都最高峰 です。山頂からは 関東平野、富士山、南アルプス などが一望。文筆家であり登山家である深田久弥が定めた 「日本百名山」 に名を連ねている名峰です。
【山頂から望む富士】
雲取山の自然
奥秩父の風景を象徴するような 豊かな原生林 に囲まれた雲取山。 新緑 、 花 、 紅葉 、 雪景色 と四季折々の姿を楽しむことができます。特に登山道で出会う花々は多彩で美しく、 「花の百名山」「新・花の百名山」 にも選出されています。
登山シーズン
雲取山は 1年を通して登山が可能 ですが、特に人気なのは 5・6月の新緑 の時期、 10月・11月の紅葉 の時期です。
【奥多摩の峰々の紅葉】
雲取山の登山レベル
難易度別のコースが多数
雲取山には多数の登山コースがあります。代表的なのは、初級者向けのコースとして、東京都の奥多摩方面から入る 鴨沢コース 、埼玉県秩父市の三峯神社から入る 三峯神社コース などがあります。中級者向けとしては奥多摩から入る 三條の湯コース 、日原鍾乳洞から入る 富田新道(野陣尾根)コース などが挙げられます。
体力勝負
雲取山はスバリ 「特別な技術は必要ないが、体力が必要な山」 です。 岩場や滑落危険箇所は少ない ですが、ほとんどが ロングコース 。片道5時間以上はかかるので 1泊登山が基本 です。また、コースによっては 道迷い の危険もあるので 登山地図、コンパスは必ず持参 しましょう。
鴨沢コースを登ろう!〈準備編〉
初の山小屋泊におすすめなのは 王道の「鴨沢コース」 。 勾配が比較的均一 でペースを保ちやすく、 危険箇所もない ため 初級者向け です。往復コースなので 道迷いの可能性も低い でしょう。
〈3ヶ月前〉雲取山荘の宿泊予約
雲取山荘の予約は 宿泊3ヶ月前 の日付から可能です。 完全予約制 なので忘れずに!
雲取山荘
- 電話:0494-23-3338(9:00~20:00)
- FAX:0494-23-0582
〈前日〉服装・装備の準備
服装
- 長ズボン
- 速乾性のTシャツ
- 長袖シャツ
- 防寒着(フリース・薄手のダウン)
- アウター(風を防げるもの)
- 日除けの帽子
- 登山靴
- 登山用靴下
- 速乾性の下着
- 〈冬〉手袋・ニット帽・ネックウォーマー
- 〈冬〉厚手の靴下・タイツ
装備
- ザック・ザックカバー
- 雨具上下
- ストック
- 水筒・2日分の行動食
- ヘッドランプ
- 地図・コンパス
- 洗面用具
- ビニール袋
- タオル
- ウェットティッシュ
- 着替え
- 〈夏〉日焼け止め・防虫スプレー
- 〈冬〉軽アイゼン
- 雲取山荘の宿泊費(現金のみ)
〈前日〉登山計画書の準備
登山計画書 は必ず提出しましょう。雲取山は秩父山系なので提出先は 青梅警察署 です(鴨沢バス停と小袖乗越に登山届ポストがあるのでそこでの提出も可能です)。登山計画書は青梅警察署のホームページからダウンロードできます。また、 登山アプリ で電子申請もできます。
青梅警察署
- 住所:東京都青梅市野上町4-6-3
- 電話:0428-22-0110
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/saigai/tozantodoke.html
山と自然ネットワーク コンパス
〈前日〉登山コースの予習
- コース:鴨沢バス停→小袖乗越→登山道入口→堂所→七ツ石小屋→七ツ石山→ヨモギノ頭→小雲取山→雲取山山頂→雲取山荘泊→翌日同じコースで下山
- コースタイム:登り約6時間・下り約5時間 ※休憩時間含まず
- 距離:片道11.3km
- 標高差:標高差1,467m
鴨沢コースを登ろう!〈1日目〉
8:00 鴨沢バス停〜
奥多摩駅から路線バスで 鴨沢バス停 へ行き、いざ登山スタート!…の前に、 バス停隣に綺麗なトイレ があるので寄っていきましょう。しばらくは舗装路歩きとなります。髄所に『雲取山→』の看板が設置されているので迷うことはなさそうです。
30分ほどで 小袖乗越 に到着。ここにも 綺麗なトイレ があります。そこからしばらく林道歩きをするとやがて 左側に登山道 が現れます。さあいよいよ山歩きスタートです!
8:40 登山道入口〜
奥多摩の山の魅力、 樹林帯歩き が続きます。次のポイント地点・ 堂所(どうどころ) まで小袖山・登り尾根の東側を巻くように木漏れ日の中を進みます。 なだらかな均等の勾配 で歩きやすく、周囲の まっすぐに伸びる杉 が美しい。稜線に出たら 堂所 です。
10:20 堂所〜
堂所はやや開けた平らな場所で、休憩にもってこいです。ここからしばらく歩くと 七ツ石山 までの急な登りになるので、しっかりと息を整えてください。準備ができたらさあ出発、稜線の西側を巻くように歩きます。周囲の木々は 広葉樹林 に変わります。
だんだん急登になってきて、樹間から 富士山が見えるポイント 、 巨大石灰岩のマムシ岩 を通ります。
11:20 七ツ石小屋・ランチタイム
七ツ石小屋 は通年営業の山小屋で トイレ と 水場 があります。水は無料なので水筒に補給しましょう。小屋のベンチからは 富士山 を望むことができ、 ランチタイム にぴったりです。
今夜は泊まりなので先を急ぐ必要はありません。休憩をしっかり取り、景色を楽しみながら自分のペースで登りましょう。
11:50 七ツ石小屋〜
七ツ石小屋を出発したら、明るい急登の尾根を進み、 七ツ石神社 を過ぎると 七ツ石山山頂 です。
12:20 七ツ石山〜
【七ツ石山からの展望】
開けた山頂からの景色を楽しんだら、今度は10分ほど下り ブナ坂(ブナダワ) に向かいます。
12:30 ブナ坂〜
ここからは 気持ちのいい開けた稜線歩き 。展望がよく、 富士山 、 大菩薩などの奥多摩の山々 を眺めながら山頂を目指します(筆者はこのブナ坂の歩きが楽しくて何度も雲取山に登ったものです)。
ヨモギノ頭 のピークを踏んで、100mほどの急登を一気に登れば 小雲取山 です。
13:40 小雲取山〜
小雲取山を過ぎ、尾根上をまっすぐ進むと目指す雲取山が見えます。はやる気持ちを抑えて、 景色 と 風 、 カラマツの木々 、 雲海 を楽しみながら歩きましょう。
【雲取山頂を目指して…】
赤い屋根の雲取山避難小屋 が見えてきたらあと少し。ラストスパートです!
14:10 ついに登頂!雲取山
雲取山避難小屋に到着し、少し先に進むと待ちに待った 雲取山山頂 です!
【富士山の展望】
【東京方面の展望】
14:40 雲取山山頂〜
景色を楽しんだらいよいよ今夜のお宿・ 雲取山荘 に向けて出発です。 原生林 の中、20分ほどの下りの道です。
15:00 雲取山荘着
荷物を置いて一息ついたら、 夕暮れの奥多摩の山並み 、 山小屋ごはん 、 東京都最高峰の星空 を楽しみ、20時ころには就寝しましょう。小屋の案内板の 「日の出の時刻」「朝食の時間」 の確認を忘れずに。
鴨沢コースを登ろう!〈2日目〉
早朝 ご来光
小屋から山頂までは30分ほど登り返さなければいけないので、 山頂でご来光 を見ようとすると時期によっては 朝食と日の出の時間が重なってしまう かもしれません。
※基本的に山小屋の朝食時間は決まっており、個人の都合でずらすことはできません。詳しくは山荘スタッフにご相談ください。
雲取山荘の前 からでもご来光を拝むことはできます。 木々の間からのぞく真っ赤な日の出 も乙なものですよ。
【雲取山山頂 朝焼け】
7:30 雲取山荘〜
下山は登りと同じルートを下ります。途中のヨモギノ頭、七ツ石山は前日にピークを踏んでいるので、早く下りたい方は巻き道を使いましょう。
雲取山荘から鴨沢バス停までは 約4時間30分 です。途中で昼食(行動食・または雲取山荘のお弁当)を食べても良し、下山後に奥多摩グルメを食べても良し。膝に負担がかからないように、ゆっくり下りましょう。
12:30 鴨沢バス停着
お疲れ様でした。鴨沢バス停のベンチで奥多摩駅行きのバスを待ちましょう。
※「鴨沢コースを登ろう〈1日目〉〈2日目〉」で書かれた時刻は目安としてご利用ください。奥多摩駅〜鴨沢バス停間のバスの本数は少ないので、バスの時刻を確認の上、ご自身できちんと計画しましょう。
アクセス
- 公共交通機関:JR青梅線「奥多摩駅」から、路線バス「鴨沢西行」「丹波山村役場行」に乗車、30分強で「鴨沢バス停」へ
バス時刻表(奥多摩駅発・鴨沢バス停発)
https://www.vill.tabayama.yamanashi.jp/access/bustime.html
- 車:丹波山村村営駐車場(小袖乗越)
さあ、雲取山で初山小屋泊登山を楽しもう!
1泊2日で行く のんびり雲取山山行 。山小屋泊ビギナーの方はぜひ挑戦してみてください!
fudo2020
余暇プランナー
元々都会育ちですが、登山にハマったのを機に長野県に移住しました。里山暮らしを家族4人で楽しんでます!登山やキャンプが趣味。テントを張って自然の中でダラダラするのが好きです。森の中で昼間から飲むお酒とか最高ですよね。旅も好きで、独身時代にはカナディアンロッキーをバンで寝泊りしながら、山を巡る旅をしたりしました。