皆さんは年に何回衣替えをしますか。最近では、クローゼットに掛けている服の位置を入れ替える程度で、衣替えをしないという方も増えています。そんな中、整理収納コンサルタントの金内朋子さんが年に4回衣替えし、洋服を入れている押入れには1シーズンの服しか置かないと伺い、その理由を教えていただきました。
「1シーズン」の服しか置かないメリット
年に2回でも面倒と感じる衣替え。整理のプロである金内さんが、4回している理由とは何でしょうか。
「もともとは和室を広く保つために考えた方法です。タンスなどを置かず、押し入れ収納だけで済むようにと、この収納にチャレンジしました。押入れを改造して、夫と私の服を1シーズン分だけを置き、あとは家族全員のオフシーズンの衣類をまとめているウォークインクローゼットに収納しています。押入れをこんな風に使うのは珍しいと驚かれますね」。
和室を広く使うために考えた収納方法でしたが、年に4回衣替えを続けるうちに、メリットを感じるようになったのだとか。「年に4回の衣替えは手間が増えますが、服の『いる・いらない』を見直すタイミングも増えました。そのうちに本当に必要な服がわかってきました。収納も限られていますし、これしか持たないと量を決めることで、4回の衣替えもとっても楽になりましたよ」。
服の「いる」「いらない」は定期的に見直したい
収納スペースは家によって様々。金内さんのような1シーズン収納が向かない場合もあるかもしれません。それでも、持っている服の総量を増やさないことは、すべての家庭においての収納テクニックにつながります。そのためには、服の「いる・いらない」の見直しを定期的にすること。金内さんの見直し方法を取り入れて、快適な収納を作りましょう。
服を手放す基準は「自分らしいか」
服は食品と違い、賞味期限はありません。子どもならサイズが合わなくなったり、穴が空いてしまったりと処分するタイミングがありますが、大人はどんなものから手放すと良いのでしょうか。
「まずはライフスタイルに合わない服から手放しましょう。1年以上眠っている服はありませんか。悩むものは1度着て、今後着るかどうか考えてみても良いかもしれません。自分らしいシャツ、デニムがあれば制服のように着回すのもいいのではないでしょうか。同じような服を着ていても案外誰も気にしませんよ。むしろそれによって自分のスタイルが確立され、『金内さんらしいね』と言っていただくことが多いです」。
金内さんの場合、昔着ていたナチュラル系の服を手放すなど、着なくなった服から手放したのだとか。「痩せたら着る! 」「いつか着るかも」となんとなく置いている服はありませんか。まずはそういった服から見直していきましょう。
「着る服だけ、すぐ取り出せる」が快適!
服を見直し、限られた量を持つことで、毎日の服選びもラクになったのだとか。「一目で見てわかる量の服を置くことで、服が選びやすくなる上、服を使い回せるようになりました。1シーズンの服しか置かないと決める前、2シーズン置くことも考えましたが、キャパオーバーになってしまい、服がとても取り出しづらかったんです。どんなクローゼット収納でも、使うものだけを入れて、すぐに取り出せるように収納することで、毎日の生活が快適になります」。
「いらない服を置いているスペースも家賃や住宅ローン返済額に含まれている」と金内さん。確かにそう考えると、いらないものにお金をかけるのはもったいないですよね。服を見直すことはいいことづくし。クローゼットが服いっぱいになっていたり、使いづらさを感じたりしている方は、持っている服の見直しをしてみませんか。
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■お話を伺った方
金内朋子(かねうちともこ)さん
整理収納コンサルタント・2級認定講師
首都圏を中心にクライアント宅での整理収納支援サービス提供、講座・教育機関にて保護者向けセミナー、雑誌やwebのコラムやメディア出演など、幅広く活動中。3LDKのマンションに子供4人と夫の6人暮らし。2014年ESSE「収納インテリアグランプリ」大賞受賞。2015年ワニブックス社「散らかし屋さんが片付けたくなる部屋のつくり方」を上梓。元片付けられない経験を活かし、多くの片付けられない人の共感を呼んでいる。
オフィシャルサイト: ヘヤコト