じゃがいもは小さくて丸みがあるため「皮が剥きにくい」「どう剥いたらいいの?」と疑問を持つ方も多いはず。今回は包丁、ピーラー、電子レンジを使った基本の剥き方を解説します。またネットなどでよく見かける「あの方法」は本当に剥きやすいのか?ということも検証します。
じゃがいもの皮を剥くときの注意点
じゃがいもの皮を剥くときに必ず注意すること、それは「じゃがいもの芽と緑に変色した皮はしっかり取り除く」ということ。
じゃがいもの芽や緑色の皮には、ソラニンやチャコニンという天然毒素が含まれます。これらをを摂取することで、吐き気、おう吐、下痢、腹痛、頭痛、めまいといった症状が起こることがあります。
ソラニンやチャコニンは加熱しても毒性が減ることは期待できない(※)ため、調理する前にしっかり取り除くことが大切です。
芽は根元からしっかりとくり抜き、芽の部分が一切残らない状態にします。緑色になった皮の部分は、緑色の部分がなくなるまで厚く皮をむくようにしましょう。
※参照…農林水産省 ジャガイモによる食中毒を予防するために
手軽さ×おすすめシーン別!5つの皮むき方法
続いてじゃがいもの皮の剥き方について。
手軽に剥ける方法だけでなく、どのようなシーンにおすすめか?ということも併せて全部で5種類の方法をご紹介します。
さらにはネットでよく見る「アルミホイルで擦り落とす方法」「鍋で茹でて水につける方法」は、本当に簡単に剥けるのか?ということも検証します。
①電子レンジを使って剥く方法
一番簡単なじゃがいもの皮の剥き方は、電子レンジを使った方法です。肉じゃがなどの煮物を作る場合には向きませんが、ポテトサラダやコロッケなど、じゃがいもを加熱してつぶす場合にはおすすめの方法です。また、一度にたくさんのじゃがいもをチンすることで効率よく皮を剥くことができます。
もしじゃがいもに芽が出ている場合、先にしっかりと根元から取り除いておいてください。
またじゃがいもの皮が緑に変色している場合、厚く剥く必要があるためこの方法は適しません。包丁を使って厚く剥いて調理してください。
1.じゃがいもをよく洗い、包丁でぐるりと一周切り込みを入れる。
2.ラップで包み、電子レンジ600Wで3分加熱する(じゃがいも1つあたりの目安)。竹串かつまようじを刺してみて、硬いようであれば、様子を見ながら20秒ずつ加熱する。
3. ラップを取り、粗熱が取れたら切り込みの部分から手で皮をむく。
包丁を使わず、手だけできれいに剥けました。中まで火が通っているので、このままコロッケやポテトサラダなどの料理に使えます。
②ピーラーを使って剥く方法
ピーラーを使った皮むきは煮物や炒め物に使いたいときに向いています。包丁に慣れない方は、包丁より簡単に剥くことができるので時短にもなります。
ただし、じゃがいもの皮が緑に変色している場合は皮を厚く剥く必要があるため、包丁を使ってください。
1.じゃがいもはよく洗う。ピーラーをじゃがいもにあて、ピーラーを動かして皮を剥く。
2.じゃがいもを回しながらぐるりと1周剥く。
ピーラーでじゃがいもの芽を取るコツ方法
ピーラーを使って簡単にじゃがいもの芽を取りのぞけます。ピーラーの横についている「耳」を使って、根元からしっかりくり抜いてください。
ピーラーの刃の左右についている「耳」を芽の横に差し込み、ぐるりと一周させます。
芽の部分をしっかりくり抜くことができました。
③包丁を使って剥く方法
包丁を使って皮を剥くのはややコツがいりますが、皮が緑に変色して厚く剥く必要があるときは包丁を使います。
1.じゃがいもはよく洗う。包丁を持っている手でじゃがいもの皮を押さえながら、反対の手でじゃがいもを動かして剥く。
2.じゃがいもを回して、ぐるりと一周剥く。
包丁でじゃがいもの芽を取る方法
じゃがいもに芽が出ている場合、包丁の手元のとがった部分を使って、根元からしっかりとくり抜きます。
芽の近くに包丁の角を差し込み、芽の周りをぐるりと一周します。
きれいに芽を取ることができました。
④アルミホイルで皮を擦り落とす方法
アルミホイルで擦り落とす方法を試してみます。丸めたアルミホイルを使い、水につけながらじゃがいもの表面をこすります。
少し力がいります。
4~5分ほど力を入れてこすると、この状態まで剥けました。くぼんだところが剥けていないので、もう少しこすります。
さらに3分ほどこすって、ここまで剥けました。
実際に試してみて、確かに簡単に剥けますが「時間がかかる(1個当たり7~8分)」「力が必要」と感じました。ですので、時短したい方にはちょっと不向きかも。
ただ今回は普通のじゃがいもを使ったので、新じゃがのように皮が薄いものだったらもう少し時間がかからずに剥けそうです。小さくて剥きにくい新じゃがには、ぴったりの剥き方かもしれません。
⑤鍋で茹でて剥く方法
最後に、じゃがいもの皮に切り込みを入れて茹で、水につける方法を試してみます。仕組みは電子レンジと似ていますが、実際はどうなのでしょうか。
じゃがいもを鍋に入れ、ひたひたの水を入れて火にかけます。竹串を刺してみて、スッと通るようになるまで15~20分ほど加熱します。
茹でたじゃがいもを水にさらすと、皮がめくれてきます。
手で剥いてみると、一気にスルン!と剥けました。1個あたりにかかった時間は、ほんの15秒ほど。
剥いたあとのじゃがいもも、ツルンとしていてきれいです。
とても楽に剥けましたが、ネックに感じたのは茹でるのに時間がかかること。水から茹でて、沸騰するまでに5分、それからじゃがいもに火が通るまで15~20分。電子レンジなら3分でOKなので、6~8倍もの時間がかかってしまう計算になります。
じゃがいもの皮をたくさん剥きたいときはよさそうですが、2~3個程度であれば電子レンジの方が時短できそうです。
結論!つぶすなら電子レンジ、煮物・炒め物ならピーラーが最強!
今回5種類の皮の剥き方をご紹介しましたが、実際にかかる時間やむきやすさを総合的に考えると電子レンジかピーラーが最もおすすめという結果になりました。
なお、電子レンジと茹でて皮を剥く方法は火を通す工程が含まれるため、火を通しながら調理をする料理には向いていません。また、皮が緑色に変色しているときは厚めに皮をむける包丁一択です。
じゃがいもの状態、料理に合わせた皮のむきかたをすることで、かしこく調理しましょう!
どの方法で剥くとしても、じゃがいもの芽と緑色の皮はしっかりと取り除くことは忘れないようにしてくださいね。