手頃な価格の鶏肉は家計の味方。お給料日前などは特に、鶏肉料理が頻繁に登場するというご家庭も多いのではないでしょうか。実はこの鶏肉料理、あることをすると硬くなってしまうのを知っていましたか?今回は鶏肉が硬くなってしまう理由と、ジューシーに仕上げるコツをお伝えします。
ついついやりがちな、鶏肉が硬くなってしまう「あること」とは?
鶏肉は「あること」をすると、ふっくらジューシーな食感に仕上がらず、硬くなってしまいます。
その「あること」とは、鶏肉に下味をつけて長時間置いておくというもの。
唐揚げなどを作る際、「調味液に長時間漬けた方がおいしくなる」というイメージを持ちがちですが、実はこれが鶏肉を硬くしてしまっている原因なのです。
調味液に長く漬け込むと硬くなるのはなぜ?
調味液に長く漬け込むと鶏肉が硬くなってしまうのは、調味液に塩分が含まれているから。この塩分により鶏肉から水分が抜けてしまうのです。
塩は浸透圧の作用で、食品から水分を抜く力を持っています。そのため、長く漬け込めば漬け込むほど鶏肉から水分を奪ってしまい、硬い仕上がりになるのです。
豚肉や牛肉でも同じことがいえますが、鶏肉に比べると脂の量が多いため、脂のジューシーさで多少カバーができます。ですが鶏肉は脂が少ないため、違いがはっきり出てしまいやすいというわけです。
鶏肉料理をやわらかく仕上げるには漬け込み時間を短めに!
鶏肉料理をやわらかくジューシーに仕上げたいなら、調味液に漬け込む時間を短くすること。また下味として塩をふっておく料理の場合は、焼いたり衣をつけたりする直前にふるようにしましょう。これだけで仕上がりに差が出ます。
唐揚げの場合、漬け込みは30分~1時間程度でOK。このくらいの時間でも、十分に味がしみ込みます。
実践して比較!「塩をふって一晩おいた鶏肉」と「塩を直前にふった鶏肉」を焼いてみた
実際、塩の作用で鶏肉は本当に硬くなってしまうのでしょうか?塩をふって一晩おいた鶏肉と、塩を直前にふった鶏肉を焼いて比較してみました。
塩をふって一晩おいた鶏肉
塩を少々振り、冷蔵庫で一晩おいておくと、トレーに鶏肉の水分が出ているのがわかります。鶏肉を触ると、硬く引き締まっていました。
フライパンで両面焼き、カットして断面を確認。箸で押さえてみても、硬い感触で肉汁はあふれてきません。
塩を直前にふった鶏肉
こちらは焼く直前に塩をふったもの。切って一晩冷蔵庫に入れた鶏肉に塩をふりましたが、見た目の変化は特にありません。
焼き上がりをカットして、断面を確認してみます。断面を箸先で押してみると弾力があり、肉汁があふれてきました。
焼き上がりの写真を並べてみると、違いがわかります。
実際に食べてみると、塩をふって一晩おいた鶏肉は硬く、ややパサつきを感じました。一方、塩を直前にふった方はふっくらとした食感を楽しめました。
今回はわかりやすいように塩を使いましたが、しょうゆに漬け込む唐揚げなども同様です。下味をつけるのも料理の大切なポイントですが、鶏肉の場合は長く漬け込まないようにしましょう。
鶏肉が硬くなってしまう理由と、ジューシーに仕上げるコツをお伝えしました。時短のために前もって調味料に漬け込むことがあるかもしれませんが、なるべく長時間漬け込まないようにし、ふっくらとした鶏肉料理を楽しみましょう。