料理にコクや独特の風味をプラスしてくれるにんにく。餃子をはじめ、にんにくが入っていた方がおいしいと感じるメニューは多々ありますよね。でも、気になるのがにんにくを食べた後の口臭。特に人と会う予定があるときは、エチケットとしてにんにく料理を控える方も多いでしょう。実はそのにんにく臭、あの食材と一緒に食べれば抑えられるのです!
にんにくの臭いの原因はなに?
にんにくの臭いの原因は「アリシン」という成分で、これはにんにくの細胞が壊れることで発生します。丸ごとの状態でにんにくをかいでも臭いがほとんどしないのは、細胞が壊れていないため。にんにくの臭いは調理することで発生するのです。
にんにくを刻んだりすりおろしたりすると、まずアリシンの元となるアリインという成分の組織が壊れます。そして空気に触れることでアリナーゼと呼ばれる酵素が活発になり、アリインをアリシンへ変化させるのです。
臭いを抑えるには?
それでは、にんにくの臭いを抑えるにはどうすればいいのでしょうか?いくつかの方法を紹介します。
にんにくの芽を取る
にんにくを切ったときに芽があったら取りのぞいておきましょう。
にんにくの芽の部分は食べても問題ありませんが、臭いの元となる成分が多いといわれています。芽はにんにくを半分に切ってから、包丁の刃先やつまようじで取っておきましょう。
電子レンジで加熱してから切る
電子レンジで加熱してから切ると、臭いの発生を抑えられます。これは、アリインをアリシンに変える酵素アリナーゼが熱に弱いため、事前に加熱することによって酵素の働きを抑え、にんにくの臭いを減らすというわけです。
電子レンジでの加熱は、皮を剥いたにんにくをラップに包み、1粒あたり600Wで20秒程度を目安にしましょう。
「低臭にんにく」を選ぶ
にんにくを加工して作られる「低臭にんにく」を選ぶ方法もあります。このにんにくは普通のにんにくに比べ、食後の臭いが軽減するように加工処理されています。飲食店で用いられることも多く、にんにくは食べたいけどやっぱり臭いが気になる!という場面でおすすめです。
臭いはどのくらいの期間で消える?
食べた量にもよりますが、にんにくの臭いが消える時間は「16時間」をひとつのを目安にしていいでしょう(※)。前日の夜に食べたものであれば、翌日の昼頃まで残るということですね。
なお、にんにくの臭いは汗からも出ていくとされているので、臭いが気になるときはシャワーを浴びて汗を洗い流すのもおすすめです。
※参考:ライオン株式会社「みんな本当はどう思ってるの?『にんにく臭』調査とお口のニオイの対処法」
にんにくの臭いを消す食材
にんにく料理を食べる際に、食べ合わせる食材もポイントです。にんにくの臭いを抑えてくれる食材としては、牛乳やりんご、緑茶などが良いといわれています。タイミングや食べ方について食事前・食事中・食後に分けてみていきましょう。
食事前
食事前の対策は、コップ1杯の牛乳がいいとされています。牛乳の成分がアリシンをつつみ、食べたにんにくの臭いを抑えてくれるそう。
にんにくをたくさん食べることがわかっている場合は、牛乳で事前の対策をしてみましょう。
食事中
食事中に水分を補給するなら、にんにく料理の場合は緑茶がいいといわれています。緑茶に含まれるカテキン類には、消臭作用の効果が期待できます。
またセロリやパセリなどの香味野菜も口臭予防にいいそう。献立に取り入れたり、おつまみメニューに取り入れたりしてみましょう。
食後
食後の対策は皮付きのりんご、またはりんごジュースが効果的といわれます。これは、りんごに含まれるポリフェノールにアリシンを分解する働きがあると考えられているため。
ポリフェノールは皮に多く含まれるため、皮がついたまま食べるようにしましょう。りんごが手に入らない場合、りんごジュースでも効果があることもわかっています。購入するときは、果汁100%のりんごジュースを選ぶようにしてください。
気になるにんにくの臭いも、さまざまな方法で対策できることがわかりました。にんにくを食べるときの参考にしてみてくださいね。
参考文献
・全国農業協同組合連合会青森県支部「よくある質問やさい編」
・JAグループ「春の旬野菜ニンニク」