埼玉県所沢市に9月24日オープンする新商業施設「エミテラス所沢」が開業に先立って施設内覧会を開催し、メディア向けに館内が公開された。約4.3ヘクタールの売場面積に埼玉県初出店の22店舗含む142店舗が集まる注目の新スポット。実際に訪れてみて最も強く感じたのは、文字通り一日ずっといたくなるような“ゆったり感”だ。ここでは担当者による施設説明の内容も含めながら、本施設の主な特徴を紹介していこう。
所沢エリア開発の“集大成”と位置付ける新施設が9月24日に開業
埼玉県西部のターミナル駅・所沢駅を擁する所沢市。東京都心部へのアクセスにも優れ、都市と郊外の魅力を併せ持つこのエリアでは、一日あたり約22万人の利用者がある同駅周辺を中心に近年、「ベッドタウンからリビングタウンへの進化」を掲げた開発が進められ、2018年には「グランエミオ所沢」が、2020年にはKADOKAWA運営の「ところざわサクラタウン」が相次いで開業。そしてこの度、所沢駅西口に誕生する「エミテラス所沢」は、関係者が所沢エリア開発の“集大成”と位置付ける注目の新施設だ。
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内覧会の前半に行われた説明会では、本施設の運営主体である2つの組織から、西武リアルティソリューションズ・都市開発事業部の川田武氏と住友商事・商業施設事業ユニットの朝日直樹氏が登壇し、概要説明を行った。
川田氏は、「エミテラス所沢は単なる商業施設ではなく、所沢市が整備するペデストリアンデッキとつながることで駅周辺の歩行者ネットワークを構築し、街の回遊性にも寄与します」と述べた上で、「この施設の完成によって駅周辺の拠点性も向上しますし、所沢エリアの魅力発信のハブとしての機能も果たせるものと考えています」とコメント。また、本施設の開業により「所沢はソフト面で街を盛り上げていくフェーズに入った」と語り、その中核となる「所沢タウンマネジメント」が始動していることが紹介された。
朝日氏は、同じ駅前施設であるグランエミオ所沢と本施設の差別化について「グランエミオ所沢は駅直結であることや施設の規模から、近隣にお住まいの方や駅利用者の方を中心に必要なものをクイックにご購入いただく利用シーンを想定しています。対してエミテラス所沢は、ご家族やご友人とお買い物だけでなく、お食事や映画鑑賞などゆっくりと過ごしていただく利用シーンを想定しました」と説明。その上で「“所沢らしさ”を育み、『所沢スタイル』を創造・発信する拠点開発」という思いを込めた「TOKOROZAWA New Suburban Life」という開発コンセプトを紹介し、本施設の特徴として「①所沢らしさの追求と発信」「②できることからSDGs」「③DXによる新体験の提供」「④地域連携による街の魅力向上」という4つのポイントを挙げた。その特徴の詳細はここからの施設見学で感じていただくとしよう。
席の感覚が広すぎるフリースペースなど、ゆとりある空間作り
所沢駅からペデストリアンデッキで直結するエミテラス所沢は、2階エントランスがメインの玄関口になっている。
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4階建ての館内は、1階には大型スーパーマーケットとデリ、スイーツなどの食品売り場、フードホールやカフェが集まり、2階はアーバンライフを提案するブランドやファッション関連のショップを中心に構成。3階は雑貨やスポーツ用品、子ども用品のショップなど、子育てファミリーをメインターゲットとしたフロアになっており、4階は最新鋭の12スクリーンを擁する地域最大級のシネコン「T・ジョイ エミテラス所沢」などアミューズメント施設や屋内外で連結した子ども向け広場などが設けられている。
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何はともあれ、館内を一周して最も印象的だったのは、全体から伝わるゆとりを感じる空間作りだ。特に1階と3階にある2か所のグルメエリアは圧巻。
そのうち1階の「こもれびフードホール」は、1000席完備のフードコート。ジャンル豊かな22店舗が軒を連ねる空間は、USBポートやコンセント付きのカウンター席からファミリー向けのテーブル席、小上がり席もあるファミリーラウンジなどニーズに合った使い方ができる。また、フードコートでは珍しい「パーティールーム」もあり、地域のコミュニティスペースとしても機能する。
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一方、4階のレストラン街「そらくもダイニング」は、屋内外でシームレスにつながるフリースペース「そらくもひろば」と連結し、キッズスペースで遊ぶ子どもを見守りながら店舗でテイクアウトしたグルメを楽しむことができる。
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屋内で驚くべきは、ランダムに設置された席と席の感覚の広さだ。それがいかほどのものかは、下の写真を見ればきっとお分かりいただけるはず。一角には3歳から5歳児用の遊び場があり、雨の日でも親子でゆっくりできる。
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屋外の屋上広場は築山やポップジェットなどの遊び場を備えた空間。ベンチからの眺めも抜群で、南西の方角には所沢市をホームとする埼玉西武ライオンズの本拠地・ベルーナドームの白い屋根が望めるほか、天気次第ではその左手に富士山が見えることもあるそう。
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小さな子がいるファミリー向けの設備としてはトイレも特筆すべきポイントだ。各階のトイレには多目的トイレとともに「ゆったりトイレ」を完備。こちらはベビーカーを連れて入れるサイズの多機能トイレで、さまざまな人がストレスなくトイレを使えるような配慮がなされている。
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ちなみに、トイレや授乳スペース、ベビーカートの利用状況は、館内案内のデジタルサイネージ上で確認することができる。
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そのほか、館内の各所にゆとり感じる休憩スペースがあり、いずれも座り心地のよさそうなチェアが置かれているところに、「ゆっくり過ごしてもらいたい」という意図の統一感を感じた。
鉄道工場の名残を継ぐ遺産とライオンズファン必見の芝アート
2階と3階の吹き抜け空間「TOKOROZAWA e-CUBE」は、国内商業施設で最大級、547インチのLEDビジョンを擁するイベントスペース。地域の交流イベントやライオンズ戦のパブリックビューイングなどの利用が想定され、イベントがない時も大型画面を活用したインタラクティブコンテンツが楽しめる。内覧会でも、スマホを使って画面の中に花火を打ち上げる『Emi Terrace DREAM HANABI』が披露された。
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“所沢らしさ”という点では、かつてこの地にあった「西武鉄道所沢車両工場」のレガシーを今に伝える、1階の3つのポイントがあげられる。
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ひとつは館内の「2000系運転用シミュレータ」。西武鉄道を利用している人であれば“おなじみの顔”であるこちらは、実際に運転士の教育等に使われていたものを移設。今後、イベントなどの開催も予定されているとのこと。
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一方で、館外には「引き込み線」の跡地と「おとぎ電車」の展示が設けられている。前者は鉄道本線から工場へ車両を引き込む際に使われた線路の名残。惜しくもこの日までに展示が間に合わなかった後者は、同工場で製造され、西武鉄道山口線で昭和59年(1984)まで活躍していた観光列車であり、往年の西武鉄道ファンにとっても鉄道好きの子どもたちにとっても感動スポットとなるに違いない。
ちなみに、館内の各所に設けられた芝生のアートは、ベルーナドームに使われていた天然芝を再利用したもの。憧れの選手が駆けた芝を間近で見られる体験は、野球観戦で所沢駅を利用する遠方のファンにとっても見逃せないポイントといえるだろう。
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なお、エミテラス所沢は、西武武山ソーラーパワーステーションで生産された再生可能エネルギー指定の非化石証書付き電力などを使用し、実質CO2ゼロ化。約680㎡の太陽光パネルを設置して年間約18万kWnの電力生産能力を持つ約680㎡の太陽光パネルを屋上に設置するなど、サステナブルに根差した施設であることを最後に付け加えておく。
「エミテラス所沢」は9月24日にオープン。新しい所沢の“最後のピース”となる、ゆとり感たっぷりの新施設に注目だ。
【施設データ】
エミテラス所沢
所在地:埼玉県所沢市東住吉10番1号
アクセス:西武池袋線・西武新宿線「所沢駅」西口より徒歩4分
営業時間:
ショップ 10:00~21:00
1F こもれびフードホール 10:00~21:30
4F そらくもダイニング(レストラン) 11:00~22:30
サミットストア(スーパーマーケット) 9:00~23:00
T・ジョイ エミテラス所沢 8:00~25:00
※一部、営業時間が異なる店舗あり
公式ホームページ:https://et-ge-tokorozawa.com/emiterrace/