ダイソーの電気小物コーナーで車載用シガーソケットUSB充電器『USB充電シガープラグ』が販売されています。同社のブランド「DD」の製品で、100円モデルと300円モデルの2種類。前回100円モデルを検証してみたので、今回は300円モデルをチェックしてみました。
ダイソーの高いほう……といっても、300円ですからね。だいたいの結果は予想できつつ、ちょっと意外なところでは、電子工作好きには別の使い道がありそうな……!?(編集部)
ダイソー『USB充電シガープラグ』税込324円
部品
基板
負荷テスト
電子負荷回路とデータロガーを使い、負荷容量と充電電圧を記録。4.5V を下回るタイミングをチェック。ヒューズ付きモデルの場合、負荷をかけすぎると切れてしまうので、ヒューズ部分を短絡し電源供給を直結して検証している。
リップル電圧(ノイズ)
検証結果
- コントローラ SD8925G
- 充電識別 short
- 出力電圧 4.96V(0.5A負荷時)
- 最大出力(4.5V降下時) 2.83A(公称2.1A)
- 保護切断 2.93A
- リップル電圧 19.4mV(2.0A負荷時)
- ヒューズ あり
- 自動保護 あり
総合評価 ★★★☆☆(3.0)
結論としては “買いたいなら止めないし、電子工作好きには面白そうな” シガーソケットUSB充電器だろう。
負荷試験では4.5V降下時 2.83A、保護切断ラインは 2.93A だった。公称値は最大2.1Aなので、出力性能では問題は無さそうだ。なお、パッケージに「急速充電対応」とあるが、これは Android系スマートフォンであり、iPhone では通常の充電となる点には注意したい(そもそもパッケージに「iPhone」の表記はない)。
気になる点は、2A負荷時のリップル電圧がややノイジーな波を見せているところだが、300円でそこそこの出力性能を確認できたので、それで十分な気もする。
個人的には電子工作に使えそうなガジェットという点で気になっている。分解して基板を見てみると、改造して遊べそうな部分があることが判明したのだ。以下にその改造例を挙げておく。
【改造①】Apple急速充電対応にする
充電属性は shortで、Apple系の機器で使用した場合は 0.5A の普通充電となってしまうが、基板には short属性を変更できる空きパターンが用意されている。R6〜R9にチップ抵抗を装着することで、Apple系の急速充電に対応することが可能だ(長時間安全に使用できるかどうか危ういので、発熱等に十分注意すること。1.0A属性推奨)。
【改造②】FANコン化する
本商品の基板は電圧調整ボリュームを取り付け、格安の FANコンとして応用ができそうだ。電圧変換方式なので回転パルス信号もバッチリ動作する。 ただし、出力が 5Vから外れすぎると動作が不安定になるので、特に高回転側に目一杯回しすぎないよう注意する。
▲電圧調整ボリューム(50KΩ)の取付箇所。R4、R5を除去して、50kΩの半固定抵抗を接続。
※本企画の検証結果はすべての商品で同様の結果を保証するものではありません。個体差等により結果が異なる可能性を踏まえたうえで、購入する際の一材料として参考にしていただければと思います。また分解等の検証は専門知識を持つ者が行なっております。真似しないようご注意ください。