ダイソーの電気小物コーナーで車載用シガーソケットUSB充電器『USB充電シガープラグ』が販売されています。同社のブランド「DD」の製品で、お値段たったの108円(税込)。
安すぎるということは、それなりの……というわけで、性能を検証してみました。ダイソーでは300円モデルもラインナップされていますが、まずは100円モデルから。(編集部)
ダイソー『USB充電シガープラグ』108円
部品
基板
負荷テスト
電子負荷回路とデータロガーを使い、負荷容量と充電電圧を記録。4.5V を下回るタイミングをチェック。ヒューズ付きモデルの場合、負荷をかけすぎると切れてしまうので、ヒューズ部分を短絡し電源供給を直結して検証している。
リップル電圧(ノイズ)
検証結果
- コントローラ SSM LC51C
- 充電識別 short
- 出力電圧 5.10V(0.5A負荷時)
- 最大出力(4.5V降下時) 1.79A(公称1.0A)
- 保護切断 2.27A
- リップル電圧 84.84mV(1.0A負荷時)
- ヒューズ なし
- 自動保護 あり
総合評価 ★★☆☆☆(1.5)
結論としては “積極的に買う理由がないシガーソケットUSB充電器” だろう。
負荷試験では4.5V降下時 1.79A、保護切断ラインは 2.27Aだった。あまり余裕のない作りだ。電源チップの LC51CというICはデータシートを調べてみると、設計上の最大出力が1.0A程度。それを超える電流での使用は故障の原因になる。0.5Aくらいのガラケの充電程度でおとなしく使うほうがよさそうだ。数値上、直ちにNGという商品ではないものの、スマホ時代の製品ではないと感じる。
ノイズが大きい点は気になる。1.0A負荷時のリップル電圧は 84.8mV、スパイク電圧の最小 vs 最大(Pk-Pk)は 4.22Vとまさに嵐のような荒れた波形となっている(グラフのスケールが通常200mVだが、本機では1.0Vに)。 Android系スマホでは 0.5A以上の負荷によってノイズが発生し、音楽再生に影響を与える可能性がある。
昨今、部品の輸入価格は上昇しているので、100円という超低価格をキープするには相当な企業努力が必要だろう。その点はは評価したい。ただし、ちゃんとしたものを買うならAnker製『PowerDrive』シリーズなどを選ぶのが無難だろう。
※本企画の検証結果はすべての商品で同様の結果を保証するものではありません。個体差等により結果が異なる可能性を踏まえたうえで、購入する際の一材料として参考にしていただければと思います。また分解等の検証は専門知識を持つ者が行なっております。真似しないようご注意ください。