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【意外と知らない】缶と瓶、それぞれ中身が違うって本当?260年の歴史を持つ『ギネス』について掘り下げてみた




世界150カ国以上で楽しまれているスタウトといえば『ギネス』。あの「ギネスブック」の初版を刊行したビールの会社としても有名です。そんな「ギネス」の歴史はとても長く、なんと今年の12月31日(火)に260周年を迎えます。



普段、なにげなく飲んでいるギネス、実は瓶と缶でそれぞれ中身が違うことを知っていましたか?今回は260周年という節目に、改めてギネスについて深掘りしてみました。260年の歴史をつくったこだわりをはじめ、ギネスを知り尽くしたシェフが特別に考案したレシピも併せてご紹介しちゃいます!家で飲むギネスがきっとさらにおいしくなるはず。


醸造所の契約は9,000年!


ギネス セント・ジェームズ・ゲート醸造所

ギネスはアイルランドの首都ダブリン生まれです。アーサー・ギネスは、セント・ジェームズ・ゲート醸造所を年間45ポンド9,000年の契約1759年に操業を始めました。「9,000年先もビールを造る!」という、並々ならぬ決意を感じますね。

創業当時はエールを醸造していたそうですが、1799年にポーターのみの醸造に。1959年に樽出しの『ドラフトギネス』、1988年にウィジェットを採用した『缶ドラフトギネス』が登場しました。

日本では、1965年に販売開始し、1995年には樽詰ドラフトギネス、1997年に缶入ドラフトギネスが発売されました。



エール、ポーター、スタウトとは?


「エール」とは、上面発酵酵母でつくったビールで、上面発酵ビールとも呼ばれます。酵母が発酵の時に生み出すフルーティーな香りと、深い味わいが特徴。

「ポーター」とは、濃い色のビールで上面発酵ビール(エール)の一種。

「スタウト」とは「強い」という意味です。発祥はポーターが先で、当時のポーターよりアルコール度数、ホップの量を増やして造られました。そのため「スタウト・ポーター」と呼ばれていましたが、現在は単に「スタウト」と呼ばれています。元はポーターなので、スタウトも上面発酵ビールの一種です。

こちらも合わせてどうぞ:【入門ガイド】「エール」と「ラガー」って?


260年の歴史をつくった2つの「こだわり」


世界150年カ国以上、毎日約1千万杯以上も飲まれているというギネス。どの国でギネスを飲んだとしても、同じ「ギネス体験」ができるように、徹底した「こだわり」をもって醸造されています。

ギネスギネス ドラフトギネス エクストラスタウト GUINNES

その一つが、原材料へのこだわり

ビールの95%を占める「水」は、ギネスにとって最適な軟水であるダブリンの南にあるウィックロー山地から湧き出る天然水を使用。

ギネスには「大麦麦芽」と「焙煎大麦」が使われています。この「焙煎麦芽」を使うことがギネスの特長で、味わいを決めるとても重要な原料です。そのため、全て自社で焙煎し、温度も厳密に232℃と定められています。

驚くべきことは、1759年の創業当時から続く酵母を今でも使っていること。以前は金庫の中で保管されていたほど、非常に厳重に管理されていたそうです。



ギネス ドラフトギネス エクストラスタウト GUINNES

もう一つが、醸造されたビールの試験です。

醸造されたビールは毎月ダブリンに送られ、定められた味覚のプロファイルに適合しているかどうか試験されます。さらに、知識と情熱を伝えるため、熟練した醸造家が定期的に世界中の醸造所を訪れているのだそう。

一つ一つのこだわりを積み上げることで260年の歴史がつくられたのだと思うと、ギネスを飲むときになんだか自然と背筋が伸びますね。



缶と瓶、中身が違うって知ってましたか?



日本で飲むことができる缶と瓶、実は中身が違います。よく見ると商品名も違うんですよ。



こちらの缶ビールが『ドラフトギネス』。1959年に世界初のナイトロジェンビア(窒素ビール)として発売されました


窒素ガスによりクリーミーな泡となめらかなのどごしを楽しむことができます。大麦を焙煎したローストの風味はおだやかで、苦みと甘みの絶妙なバランス、ドライな後口が特徴。アルコール度数は4.5%。



ドラフトギネス(缶)の中には、クリーミーな泡の秘密がつまっています。

その正体は白くて丸いもの。「フローティング・ウィジェット(以下、ウィジェット)」と呼ばれ、小さいのにとても大きな役割を果たします。

ウィジェットには、窒素ガスが封入され、ビールと一緒に缶の中で飲まれる時を待っています。いざ、プルタブを開けたとき、「キュルキュル」という音とともに、ウィジェットから窒素ガスがビール内に放出され、約300万個のきめ細かい泡が生まれます。

ギネス ドラフトギネス GUINNES サージング

すでに300万個の泡がつくられているので、泡立てないようにゆっくりとグラスに注ぎます。ビール中に細かい泡が滝のように落ち、波のようにうねる現象は「カスケードショー(サージング)」と呼ばれ、落ち着くまでの時間は119.5秒。ビールの中で泡が落ちていくように見えるという不思議な現象は、待っている時間をも楽しくさせますよね。




こちらの瓶ビールが『ギネス エクストラスタウト』。初期のオリジナルのギネスに近い味わいで伝統あるビール。1821年に販売された『スーペリア・ポーター』のレシピをもとに現在でも販売され続けているとのこと。


窒素を使用していないので、よりローストの風味を感じられ爽快感が味わえます。円熟した苦みと甘み、フルーティな味わいの絶妙なバランス、ドライな後味が特徴。アルコール度数は5%で、缶のギネスより少し高め。

ちなみに、ラベルにはアイルランドの国章である「ハープ」と、創業者アーサー・ギネスが「醸造所を9,000年でリース契約したときのサイン」が描かれています。

ギネスを知り尽くしたシェフのレシピ


今回、家庭でも楽しんでもらえるようにと考案された「ギネスを使った肉料理レシピ」をご紹介します。このレシピを考案したのは、六本木にある『シャムロック バイ アボット チョイス』のシェフです。(注意:ご紹介するレシピの料理はお店では提供していません。)

”和”ローストビーフ ~卵黄ソース~

ギネス ドラフトギネス エクストラスタウト GUINNES ローストビーフ


~作り方~


①日高昆布を濡れたタオルでふきそうじする。
②昆布にギネスを塗り、肉を昆布じめにする。(1~2日冷蔵庫でしめる)
③肉に塩・こしょうで味付けをして、炊飯器で低温調理。(沸騰したお湯を炊飯器に入れて「保温」にして30~40分)
④しっかり焼き目をつけてスライス。お皿に盛り付け、卵黄ソースを添えれば完成!

ソースの作り方:ギネス100cc、しょうゆ50ccに卵黄をつける。1日ほどで完成。

*この料理に合うのは「ドラフトギネス



ギネスと黒糖の豚角煮

ギネス ドラフトギネス エクストラスタウト GUINNES


~材料~


・豚バラブロック:300g
・玉ねぎ(長ネギの青い部分でもOK)
・水:1,000cc
・ギネス:500cc
・黒糖:30g(お好みで調整を)
・しょうゆ
・塩
・ほうれん草
・ゆで玉子




~作り方~

①豚バラを好きな大きさに切る。
②水(分量外)を鍋に入れ、肉を入れて沸かす。
③ゆでこぼしをしたら、鍋に肉、水、玉ねぎを入れて沸かし、弱火で柔らかく煮る。(1時間~)
④やわらかくなったら玉ねぎを取り出し、ギネス、黒糖、しょうゆ、塩を入れて煮込む。
⑤お皿に豚角煮を盛り付け、玉ねぎ、ほうれん草、ゆで玉子を添えて完成!

*この料理に合うのは「ギネス エクストラスタウト




ギネススープカレー

ギネス ドラフトギネス エクストラスタウト GUINNES


~材料~


・鶏もも肉:200g
・赤パプリカ、黄パプリカ
・じゃがいも、なす、にんじん
・ゆで玉子
・油
・強力粉
・ニンニク(すりおろし):小さじ1
・しょうが(すりおろし):小さじ1
・バター:10g

【調味料①】
・カレールウ:2~3片
・チリパウダー
・ケチャップ:大さじ1
・トマト缶

【調味料②】
・ギネス:600cc
・水:400cc
・チキンブイヨン:1キューブ
・オレガノ:小さじ1/2



~作り方~


①鍋に油をひき、強力粉をつけた鶏もも肉を炒める。
②軽く炒めたら、ニンニク、しょうが、バターを入れてソテーする。さらに調味料①を入れて炒める。
③野菜は別にソテーする。
④鶏もも肉をいれた鍋に、調味料②を入れて煮込む。
⑤お皿に盛りつけ、ゆで卵を添えて完成!

*この料理に合うのは「ドラフトギネス」


普段、なにげなく飲んでいる「ギネス」。260年の歴史があるとは驚きです!いろいろなこだわりや工夫があり、しっかりと続けているからこそ、世界中で愛されているのですね。

今回ご紹介したレシピは家庭で楽しんでもらえるようにと考案されたもの。ギネスを使えば味の調整もしやすいそうです。ぜひ、味わいが異なる瓶と缶を飲み比べながら、ペアリングも楽しんでみてください。





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