福岡・糸島市の公立中学校で水泳の授業前に、女性教諭の不適切指導により、女子生徒21人がやけどをしていたことが分かった。
トレンドニュースキャスター取材班は、糸島市教育委員会から詳しい話を聞いた。
生徒5人が遅刻したために…
市教委によると、今月8日、中学校1年生・2クラスの女子生徒約40人が参加し、水泳の授業が行われようとしていた。
すると、5人が開始時間に約4分遅刻。
保健体育の女性教諭が、遅刻した生徒たちに理由を聞いたところ「校舎のげた箱から屋外のプールまで、移動するのに3分かかる」と主張した。
そのため、教諭は見学を除く女子生徒約40人に対して、靴を履いて実際に移動時間を確かめるように指示。
アスファルトを裸足で移動
すると、焦ったためか、靴を履かずに裸足で移動を始めた生徒がいた。
げた箱とプールまでの距離は、片道約100メートル。
その間にはアスファルトもあるが、約200メートルを生徒たちは移動した。
この日、糸島市の最高気温は34.7℃。
教諭は、裸足で移動し始めた生徒がいることを認識していた。
しかし、その生徒たちに「戻って靴を履くように」との指導はしなかった。
結果として、生徒21人が足の裏に水ぶくれや赤みなどのやけどを負った。
市教委は「不適切な指導」と断定
この点について、市教委の担当者は「遅刻していない生徒にも、時間を確認するように指示したことは不適切。時間を守っていた生徒に、連帯責任と受け取られかねない」と話す。
また「生徒にやけどを負わせてしまったことも、申し訳なかった」と語った。
一方で教諭は「生徒全員が一緒に移動して何分かかるのか。遅刻しないためにはどうすれば良いのか。それを生徒たちに考えてほしかった」などと説明しているという。
女性教諭を厳重注意
やけど負った21人のうち、5人は保健室で手当てを受け、2人は医療機関を受診。
なお、女性教諭は生徒40人に謝罪し、市教委は校長に対して、教諭を厳重注意するように指示した。