体調が悪くなり、病院に行くと医師が対応する。
クリニックなどを受診する際は、医師の数も少ないため、お気に入りの医師のところへ受診するだろう。
しかし、大病院の場合では、なかなか医師を指名することは難しい。
そのような大規模病院でも、「医師の指名制を導入して欲しい」という患者の声がある。
大病院の受診システム
現在、大規模の病院を受診する時には、紹介状を小規模の開業医に書いてもらい、持参することが勧められている。
なお、初診で大病院を受診する方もいる。
直接来院する方はもちろん、紹介状がある場合でも、宛名が特定の医師名が記入されていなければ、どの医師が担当するかは、その日の外来の込み具合などで変わってくる。
この時問題なのは、医師によって「診療レベルに差がある」こと。
また、医師も人間であるため、患者との相性の問題もある。
そのため、大病院を受診したからといって、満足できる診察を受けられるとは限らない。
「名医」に診察してもらいたい
患者が大病院に集まってくる理由のひとつには、高度な医療を提供してくれる名医に診療して欲しいということがある。
実際、「あの先生に診てほしい」と受付に申し出る患者もいる。
また、事前に診察予約をする際に、医師を指定しようとする方もいる。
しかし、病院側としてはできるだけその要望にこたえようとはするものの、マンパワーには限界があるとともに、分担して診療を行わなければ病院として機能しなくなってしまう。
特に大病院では、診察する医師を指名できることは多くはない。
せっかく大病院を受診して、あの名医に診察してもらえると思ったのに残念だ、という患者の声も多い。
海外では医師が指定できる国も
一方、海外では診療する医師を指名できる国もある。
しかし、多くの場合には、指名料金が発生する。
また、国民皆保険制度がない国では、自分自身で医療保険に入るが、医療保険でカバーされている医療機関や医師しか受診できない場合もある。
どの病院でも自由に受診できる日本と、追加料金を負担しつつも好きな医師まで選べる制度がある国と、どちらもメリット・デメリットがある。
いずれにせよ、今後議論していくべき話題のひとつだ。
執筆者:あやたい
医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。
日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。