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目の前で喉が詰まった人がいたらどうする!? 現役医師がその対処法を詳細解説


のどがつまりそうになる経験は、誰しも一度はあるだろう。

目の前の人がのどをつまらせてしまい、息ができなくなった場合、できることがある。

今回は、誰でもできる行動について解説する。

最大の問題は息ができないこと

のどがつまった時に一番問題となるのは、呼吸ができないことだ。

完全に呼吸ができなければ、人は通常、1〜3分程度で意識がなくなってしまう。

意識をコントロールしている、脳への酸素が不足してしまうのだ。

そして、6〜10分程度で、命を落としてしまうリスクが上昇する。

のどがつまって息ができなくなれば、早急に救急車を呼びつつ対応しなければ、亡くなってしまうこともあるのだ。

窒息している症状

のどがつまる感じがあっても、呼吸がしっかりできていれば焦る必要はない。

しかし、窒息して呼吸ができなくなると、人はほぼ必ず苦しそうにし、その後声にならないうめき声を出すか、まったく声が出ない場合もある。

そして、喉をつかむように両手でおさえること(チョークサイン)が多い。

これらの症状が出現すれば緊急事態であり、すぐさま対応が必要だ。

異物除去と救急要請を!

窒息してもまだ呼びかけに反応がある場合には、異物除去と救急要請をする。

異物除去には、背部叩打法と腹部突き上げ法の2種類がある。

背部叩打法は、誰が窒息しても行える方法で、背中にある両側の肩甲骨の間あたりを、手の根元で思い切りよく何度も叩く。

痛みを恐れて、弱々しく叩いても効果は出ないので、力強く叩いて欲しい。

腹部突き上げ法は、妊婦や小さな子どもには行ってはいけない。

窒息した人の背中側にまわって、おへその少し上のみぞおちあたりで、片方の手で親指を上にして握りこぶしを作る。

そしてもう片方の手で、その握りこぶしを上からおおう。

最後に、すばやく手前上向きに引き上げるように圧迫しながら押し上げる。

この時、ゆっくりしても効果は薄いため、すばやく行うのがポイントだ。

内臓が損傷する危険性もあるため、行ったことを救急隊や病院に伝えてほしい。

反応がない場合には心臓マッサージと救急要請

窒息した後、反応がなくなった場合には、すぐに心肺蘇生術と救急車を呼ぶ。

心肺蘇生術と書くと難しいが、心臓マッサージだけでもして欲しい。

胸の真ん中で、1分間に100回程度、1回につき5cmの深さを目標に心臓マッサージをする。

これだけで、その後生きて元気に社会復帰できる可能性が高まるのだ。

ぜひ心臓マッサージの講習会などに参加して、身につけてほしい。

執筆者:あやたい

医療制度や医療職・医療現場が抱えるさまざまな問題について考える医師。

日々変わっていく医療現場から生の声や、日常に役立つ医療知識を発信したいという思いで執筆。

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