【幻の兵器】完成度が低く安定性を欠き小回りも効かず…投入自体が失敗だった小型潜水艇「甲標的」
軍縮条約で戦力的には劣勢となった日本海軍は、新型兵器の開発に異常なほどの熱意を注いでいたのだ。岸本大佐は魚雷の権威でもあったことから、この兵器は魚雷を基本としており、いわゆる潜水艦の縮小型としての豆潜水艇とは発想の根本から異なっている。実際、外見的には潜水艇の様に見えるが、推進用のスクリューに二重反転プロペラを採用したことや舵が非常に小さいことなど、構造的には魚雷に近い兵器であった。また、甲標的は水中で19ノットもの高速力を発揮することが可能で、驚くべきことに当時は世界最高の水中速力を誇っていたのだ(第二次世界大戦末期まで、甲標的を上回る水中速力を発揮する潜水艦は現れなかった)。
甲標的は洋上で母艦より発進し、高速を活かして敵艦隊へ肉薄、攻撃することとされたものの、攻撃終了後の収容が極めて困難との指摘もあった。そのため、潜水艦から隠密発進し、敵艦隊が集結する軍港や泊地を奇襲する作戦も検討されていたようだ。ともあれ、水上機母艦の千歳と千代田、日進が甲標的の母艦として改造され、それぞれ12隻、計36隻を搭載することとなった。来るべき艦隊決戦においては、連合艦隊が直率する第十二航空戦隊を編成し、主力艦隊の接触前に敵艦隊への奇襲攻撃を敢行する予定だった。
しかし、開発の過程で外部視察能力が低くて敵艦の発見が困難かつ、水上、水中のいずれにおいても安定性を欠いていること、そのため自艦と標的の相互位置を把握することさえ困難であることなどの欠点が明らかとなった。さらに、うねりが大きいと司令塔が海面上に露出して発見されやすくなり、舵の位置から運動性も悪くて小回りは効かない。試験では模擬魚雷の発射に失敗し、正常に発射しても重量バランスが激変して前方が跳ね上がり、発射した魚雷の進路が変わってしまうなど実用化にはほど遠い有様といえ、兵器としての能力に疑問を感じるほどだった。
結局、日本海軍はフィリピンなどを占領した後、米艦隊の進攻を迎え撃つ作戦を根本から転換し、開戦と同時にハワイのアメリカ艦隊を航空機で攻撃する作戦に決したため、甲標的の出番はなくなってしまった。
ところが、それまで血のにじむような訓練を積んでいた甲標的乗組員は、この決定を全く受け入れようとしなかったとされる。活躍の機会を得ようとした乗組員は、上官へ意見具申して真珠湾軍港内への隠密攻撃という形で甲標的の実戦参加を認めさせたと言われている。しかし、そもそも生還の見込みが無い決死作戦であり、出撃した甲標的は戦果不明で全滅、戦死した9名の乗組員は軍神とされたが、捕虜となった1名は海軍から存在を抹殺されるなど、あまりにも苦い結果となった。
甲標的の失敗については、訓練不足の乗組員を投入したことをその原因とする文献が多い。だが、それ以前の問題として兵器としての完成度が低く、外部視察能力と安定性を欠き、小回りも効かない小型潜水艇を隠密侵入作戦に投入したことそのものが間違いだったと言える。
それにもかかわらず、現場サイドは甲標的による隠密奇襲作戦を繰り返す。太平洋戦争中にはオーストラリアやマダガスカルに投入されたが、いずれも特筆すべき戦果を上げることなく全滅している。そこで、今度はガダルカナル沖合の米軍停泊地に対する使い捨て攻撃に投入され、そこで初めて小さいながらも戦果を挙げた(乗組員は脱出して島の守備隊と合流している)。これは比較的本来の開発目的に沿った作戦でもあり、乗員の生還率も高かったが、米軍の警戒が厳しくなってからはほとんど戦果が挙がらなかった。
結局、半ば持て余し物となってしまった甲標的は、その後は敵輸送船団に対する迎撃兵器として南洋の島々に配備されていった。フィリピン方面においては基地をはじめとする支援体制を整備し、十分に運用経験を積んだ指揮官の適切な作戦指導を得られたこともあり、それなりに活動も安定していた。だが、観るべき戦果がなかった点に変わりはなく、戦局に寄与することはなかった。
甲標的そのものは失敗に終わったが、沿岸防衛用兵器としての性能に着目した日本海軍は、甲標的をさらに発展させた豆潜水艇の開発に着手する。「蛟龍」と名付けられた改良型甲標的は敗戦直前に生産が始まったが、実戦に参加することはなかった。また、蛟龍とは別に「海龍」と呼ばれる沿岸防御用の豆潜水艇の開発も進められていたが、こちらも実戦に参加することはなかった。
ひとことで言うと、甲標的の問題は兵器としての完成度が低すぎたことにつきる。もう少しじっくりと開発していれば、実用に耐える兵器として完成していたかもしれないし、あるいは失敗作として放棄されたかもしれない。しかし、現実には一応の完成とされつつも、運用には前途多難という、全く中途半端な状態で実戦投入されてしまい、いたずらに人命と資源を浪費するのみであった。
太平洋戦争の日本海軍は、損切りが出来ずに傷口を広げることも多々あったが、甲標的もその一例なのかもしれない。
(隔週日曜日に掲載)
■甲標的
排水量:46トン(潜航時)
全長:23.9m
全幅:1.8m
全高:3.0m
浮上時速力:23ノット(時速43km)
潜航時速力:19ノット(時速35km)
最大航続距離:100海里(190km)
最小航続距離:18海里(33km)
潜航深度:30m
乗員:2名
主兵装:45cm魚雷発射管2門
その他:自爆装置1基
【記事提供:リアルライブ】
市村正親「錦を飾ったみたい」と半世紀以上ぶり明治座出演に照れ 鳳蘭と初のぼりにも感激
A.B.C-Z戸塚祥太、舞台W主演の高橋惠子から豪華なチョコ「今年は2個いただきました!」
Kep1erが日本で7人体制初コンサート、ユジン「皆さんの幸せな顔を見て安心しました」
エクソーラ、ゲームをオンラインで直接公開し、消費者に販売できるユニバーサル ソリューションであるPublishing Suiteを発表
広瀬すずさん、伊藤沙莉さん、オダギリジョーさん出演 「プレモル子ちゃん」シリーズ 第3弾「青いバラ」篇
なつかしのゲーム「ボコスカウォーズ」がボードゲーム『ボコスカチェス』として復活
「気持ち」だけで応募可能? GCLがゲーム制作完全未経験者向けの公募『ド新人賞』を立ち上げ
ゲーミングPC LEVEL∞、「SPYGEA」新生活応援キャンペーンとして5,000円OFF WEBクーポン配布 さらに抽選でサイン入り色紙が当たるキャンペーン実施
大谷翔平 大先輩カーショーに「ツッコミ?」 帽子の間違いを指摘し笑いを呼ぶ
<マーケティング担当者必見・最新調査大公開セミナー>「ポイントサービス」に関する市場調査を大公開するオンラインセミナーを3月25日(火)に開催
68歳大物芸人、生放送で2歳下芸人を突如グーパンチで殴る スタジオ騒然「ゴン!」と鈍い音
花田虎上氏が憤り「嘘ばかり話す奴が心から許せない」
二階堂ふみが結婚!?お相手が衝撃的過ぎてネット民「マジか・・・」
「役満ボディー」岡田紗佳、浴槽から左半身を大胆露出で「エロい」「この世で一番かわいい」
四千頭身、テレビから消えた理由を明かすも批判殺到「人のせいにするな」
45歳元日テレ美女アナ、美肌輝くカラフルビキニ姿で「今だけのモテ期」を激白!
小倉優子、不自然な“二重ライン”にネット騒然「やっぱり整形?」
日韓コンビYouTuberトッポギ侍が店頭の化粧品を鼻に入れて大炎上
【2月28日スタート】Amazonスマイルセール|次回はいつ?買い物をもっとお得にする方法とおすすめ商品を紹介
ハリー杉山、東京マラソンめぐり謝罪「不快な思いにさせてしまい…」
二階堂ふみが結婚!?お相手が衝撃的過ぎてネット民「マジか・・・」
四千頭身、テレビから消えた理由を明かすも批判殺到「人のせいにするな」
父が再婚の丸山隆平(36)現在の家族関係がとんでもないことになっていたと話題に
吉田沙保里、大久保嘉人との不倫疑惑を一蹴するも冷ややかな声
3時のヒロイン福田麻貴(32)は元アイドルだった!昔の姿がかわいいとヲタク歓喜
【おすすめアニメ50選】完結済み!定番から最新作まで!
昨年コンビ解散の46歳吉本ピン芸人が暴露、エゴサして分かった元相方の行動にスタジオ悲鳴飛ぶ
68歳大物芸人、生放送で2歳下芸人を突如グーパンチで殴る スタジオ騒然「ゴン!」と鈍い音
小倉優子、不自然な“二重ライン”にネット騒然「やっぱり整形?」
「赤いきつね」CM問題に企画会社と制作会社が声明 「一切の生成AIを使用していない」

市村正親「錦を飾ったみたい」と半世紀以上ぶり明治座出演に照れ 鳳蘭と初のぼりにも感激
A.B.C-Z戸塚祥太、舞台W主演の高橋惠子から豪華なチョコ「今年は2個いただきました!」
Kep1erが日本で7人体制初コンサート、ユジン「皆さんの幸せな顔を見て安心しました」
エクソーラ、ゲームをオンラインで直接公開し、消費者に販売できるユニバーサル ソリューションであるPublishing Suiteを発表
NY外為:BTC反落、再び8.8万ドル台、露は暗号資産準備模索せず=プ―チン大統領
広瀬すずさん、伊藤沙莉さん、オダギリジョーさん出演 「プレモル子ちゃん」シリーズ 第3弾「青いバラ」篇
なつかしのゲーム「ボコスカウォーズ」がボードゲーム『ボコスカチェス』として復活
「気持ち」だけで応募可能? GCLがゲーム制作完全未経験者向けの公募『ド新人賞』を立ち上げ
NY外為:メキシコペソ堅調、米・メキシコ首脳、USMCA対象関税延期で合意
ゲーミングPC LEVEL∞、「SPYGEA」新生活応援キャンペーンとして5,000円OFF WEBクーポン配布 さらに抽選でサイン入り色紙が当たるキャンペーン実施