
大沢たかお(57)が主演とプロデューサーを務める「沈黙の艦隊」シリーズの映画第2作「-北極海大海戦」(吉野耕平監督、9月26日公開)完成報告会が25日、都内で行われた。大沢演じる潜水艦「やまと」の艦長・海江田四郎の右腕たる副長・山中栄治を演じた中村蒼(34)は24年8~10月に行われた撮影中、体重管理をしていた大沢からサンドウィッチを「半分こしよう」と声をかけられたと明かした。ストイックな体作りで知られる大沢も「ずっと食べていなかった。おいしそうで…我慢できず、手に取って部屋に戻って、食べたらなぁ…と思って」と当時を振り返り、笑った。
大沢は撮影を振り返るトークの中で、中村が「大沢さんは体重管理をされていた。2枚1組のサンドイッチを『半分こしよう』と言って食べたサンドイッチを、かみしめた」と語ると、笑った。「食べたくなかったと思ったけど、食べさせた」と声をかけ、中村が「食べたかったです。おいしかったです」と言うと、安堵(あんど)したように、また笑った。
官房長官・海原渉役の江口洋介(57)からは「グッときっぱなし。大沢君が、ずっと動かないでやる…すごいよね。ストイックな芝居」とたたえられた。大沢は「今回、1歩も歩いていない。狭まっていますよね」と笑った。
「沈黙の艦隊」は、漫画家かわぐちかいじ氏(77)が1988年(昭63)から96年まで漫画誌「モーニング」に連載し、累計発行部数3200万部(紙・電子)を誇る同名漫画が原作。日米共同で極秘裏に建造された日本初の超高性能原子力潜水艦シーバットの艦長となり、日本人でありながら米艦隊所属となった海江田四郎が、理想の世界の実現を目指し、核ミサイルを積んで乗員76人を伴い航海中に反乱逃亡。自らを国家元首とする独立戦闘国家「やまと」を全世界へ向けて宣言。日本との交渉を進める意向を示すと米国は核テロリストと判断し、撃沈を図った。
前作のドラマ「-シーズン1~東京湾大海戦~」後半では、沖縄沖海戦、東京湾が舞台となるバトルシーンを描いた。海江田は、天才的な操舵(そうだ)で幾つもの海戦を潜り抜け、海上自衛隊をも巻き込んだ東京湾での大海戦で米第7艦隊を圧倒し、国連総会へ出席すべくニューヨークへ針路をとった。それを受けた「-北極海大海戦」では、冷たい北の海で繰り広げられる緊迫の魚雷戦。砕ける流氷を回避しながら、最新鋭潜水艦同士が激しくぶつかり合う、原作漫画随一のバトルシーンとなった北極海大海戦を描いた。さらに、連載当時にテレビ特番が組まれるほどの社会現象となった、やまとの是非をめぐって衆議院が解散され、行われた「やまと選挙」も描いた。