
20日に70歳の誕生日を迎える歌手アグネス・チャン(69)が16日、都内で150人を集めてバースデイライブを開いた。デビュー曲「ひなげしの花」「草原の輝き」「白い靴下は似合わない」などアンコールを含め、全13曲を熱唱した。
アグネスは香港で生まれ育ち、1972年に来日して、17歳で「ひなげし-」でアイドル歌手デビューして大ブレーク。73年からNHK紅白歌合戦に3年連続で出場した。
ファンのアグネスコールで登場した。ブラックにシルバーのシックなロングドレス姿で「今日は私の声がかれるか、皆さんの声がかれるかのパーティー」と宣言。来日前の香港のオーディションで歌ったスティービー・ワンダーの「太陽のあたる場所」を、ギターを弾きながら歌ってスタート。71年に香港で大ヒットした「サークル・ゲーム」を歌って「16歳で日本に来て17歳の誕生日を迎え、11月25日に『ひなげし-』でデビューしました。必ずヒットするとは思わなかった。不安と期待でやって来て、日本のファンが応援してくれた」と振り返った。
そして「ひなげし-」「草原の-」「小さな恋の物語」「星に願いを」とアイドル時代のヒット曲を熱唱。「歌詞を覚えているので大丈夫。特に2番の歌詞を覚えていたので」と笑顔を見せた。
「ポケットいっぱいの秘密」では「これはズボンをはいて歌ったんですが、不評で途中からミニスカートに戻りました(笑い)」。松任谷由美(71)が作詞・作曲の「白いくつ下は似合わない」では「マネジャーに内緒で、初めて横分けにしました。髪をピンで留めただけなんですけどね(笑い)。20歳になる、ちょうど50年前にユーミンに作ってもらったんだけど、デビューの時からハイソックスだったのが、この歌で初めてヒールを履きました」と笑った。
途中、今年6月17日に100歳で亡くなった、母リタさんが子供の頃にベッドで歌ってくれた歌を披露。「この歌があるから、今の私があると思います」。40歳の時に歌った「この身がちぎれるほどに」をしっとりと歌い上げて「大人のラブソングで、光栄にも不安にも思いました。子供もいるのにラブソングを歌っても説得力があるのかと思ったけど、この歌がターニングポイントになった」と振り返った。
アンコールでは「70歳を迎えられるのは、私にとって大きな感謝です。17歳で日本に来て、こんなに長くいられるとは、皆さんと一緒に年を重ねられるとは想像もつかなかった」と話して、「そこには幸せが生まれているから」からを力強く歌い上げた。
「いつも夢見ていると人間はくじけない。夢見ているのは世界平和。今、一番心配なのはガザのこと。平和の花を咲かすことを夢見て、水を注げば、第3次世界大戦は起きない。私には孫がいる。親バカじゃなくて、婆バカ(笑い)。皆さん、幸せに長生きしましょう。皆さんと一緒に70歳の誕生日を迎えられてうれしいです」と笑顔を見せた。