
元AERA編集長のジャーナリスト浜田敬子氏が15日、キャスターを務めるTBS系「サンデーモーニング」(日曜午前8時)に生出演。小泉進次郎農相が、備蓄米放出によるコメの需給バランスについて発言したことについて、私見を示した。
番組では、小泉農相による備蓄米放出で、市場の値下がりが起きている状況とともに、需給バランスが崩れることを懸念する声も報道。新たな20万トン放出の際、取材陣から「(コメが市場に)じゃぶじゃぶにあふれて危険な手法の気もする」と聞かれたことに対し、小泉農相が「私たちとしては、これは、じゃぶじゃぶにしていかなくてはいけないので、それじゃなかったら価格は下がらない」と答えたことも伝えた。一方、一部の生産者側は、コスト高騰などもある中で、小泉農相の政策に疑問を持っているとの状況も伝えた。
浜田氏は「毎日のように小泉さんがテレビに出て『小泉劇場』と言われて、今、自民党の支持率が下げ止まって、少し回復傾向にある」とした上で「でも私たちが忘れてはいけないのは、そもそもの原因を作ったのは自民党ですよね、と。備蓄米の放出が遅れて、後手後手の対策に回っただけじゃなくて、これまでの農政のツケが回ってきているわけですよね」と断言した。
続けて「これまで、作りたいという農家さんがいても生産量を抑制して価格調整をしてきた、これの限界が来ていると思います」と指摘。「ギリギリの生産量でやってきたので、例えば猛暑、インバウンドみたいなことで需要が増えた途端にコメが不足する。これをとにかく、大きく見直していかなくてはいけない時期になっているんですが、それでもまだ自民党農林族の中には、増産に対して反対する声が非常に根強い」と持論を語った。
また政策の転換が必要とも主張。「今、いろんな事実上の減反政策に補助金がついてますけど、何にお金を払うのか。これって例えば、大規模投資をして生産コストを落として、持続的にやっていこうと、こういうところ(農家)に補助金をつけたりとか、もっといえば、猛暑に強い品種改良がどんどんできていて、そこへ、品種を変えていく、農家さんに付けていく。こういったことを、お金の使い方を変えることによって、生産者も守り、消費者も安定した価格で食べられるようにする」と提案すると「特に参院選で、私たちはこういうところを見ていかなくてはいけない」と呼びかけた。